2012年11月05日

アルバイト時代に失敗しておけば、、、

 こんにちは、パン助です。

今回は失敗の話。
 
 僕は小学生の頃に「失敗を恐れるな!何事にも挑戦だ!!」と黒板におっきく書く先生がいて、それを教訓に失敗することに大してあまり恐怖がありません。こんな事を言う先生だから、きっと失敗してもこの先生みたいになれるならいいなぁと思ってました。

 さて、今日は失敗の話。

僕はパン屋含めてアルバイト時代に、失敗をたくさんしました。
 それは、失敗は怒られる事よりも得る物が大きいと思っていたからです。
だから、さすがにわざとの失敗はありませんが、そこまで深く考える事無く、実際にまずやってみて、それから失敗したら何故失敗したのかを考えればいいか、怒られたら謝ればいいか、と思っていました。
 
 ちなみに僕は10代のフリーターの頃にスーパーの売り場で商品出しのアルバイトしていたのですが、ある時お客さんが金目鯛という魚を「三枚におろしてくれないか」と言われ、中にいる社員に言おうとしたら、、、
 
 みんなたまたま休憩に行ってしまって、誰もいません。ちょっと探したのですが、本当にトイレにもいなかったのです。お昼寝してるんだなと、起こしたら悪いし、、、

そこで僕が取った行動は、、、、

 調理場に入って勝手に魚を3枚におろしてしまいました。もちろん失敗しましたし、その後すぐ社員の人が来て、「オマエなにやってんだ、ゴルァ!!」と怒鳴られましたが、お客さんはまた魚を選び直して社員におろしてもらい、僕はその時に「包丁持ちたいんです。」と心にも無い事を言って、でもその後は包丁を持たされることになったんです。簡単な調理位は覚えてくれたら助かると言われて。だから、まあ、失敗しても新しい経験を得るためには必要なこと、と、前向きに受け止めればなんとかなるかなって。

 
 でも、魚と違ってパンは、後々の作業に影響がかかります。仕込み一つの作業が他の人の段取りまで狂わせてしまうのです。

そこで、パン作りをする時に僕にできた癖とは、、、

 こね上がった様子がおかしいパン生地は、口の中に入れて噛む事が癖になりました。

僕はイーストや砂糖や塩や脱脂粉乳やバターや生クリームや卵を入れ忘れたり、粉や水の分量をしょっちゅう間違えていたので、もう最後は何もかも入れ忘れてミキサーを空回りさせる程でした。嘘です。空回りは嘘です。あ、でもミキサーフックが材料の上でぶんぶん回ってかき混ざらない事は結構あります。

 だから、生地をプチッとつまんで口で噛むと、砂糖や塩やバターがなければわかりますし、どの生地がどの味かわかるので、番重がごちゃごちゃでどの生地がどれかわからない時は、噛む事で判別できます。重さを測ったりで判別する人もいますが、口に入れた方が早い。
 また、生イーストは入れ忘れたらフライヤーがあるなら170度の油に生地をひとつまみ入れると、イーストが入っていればポトンと沈んだ後にまた浮かんできますし、砂糖はパン生地に焼き色をつかせるので、砂糖を入れ忘れると焼き色がほとんどつきません。だから砂糖が入ってないフランスパンって長時間焼きますよね。
 また、塩、これはもう最悪ですね。クロワッサンに塩が無いともう、ただの香ばしい段ボールです。塩って数グラムでもすごい味を感じさせるんですね。塩を入れ忘れなかったらこの発見は無かった。ありがとう海、ありがとう大自然、ああ。
 それから卵、入れ忘れたら生地が白いです。そのまんまですね。後は生クリームも卵も無いとその分水分が少ないので生地がいつもよりパサつきます。脱脂粉乳はしっとり感がなくなりますが、ぶっちゃけ脱脂粉乳は入ってなくてもあんまりわかりません。

 なので僕はミキサーボウルの重さとフックの重さを測っておいて、ちょっとでも違和感を感じたらすぐに口に入れるのと、重さから分量を引いて、何が足りないのかわかるようにしてます。本当は失敗しないのが一番いいんですけどね。
 
 でも、従業員の一人に、絶対に計量を間違えない方がいまして、凄いのです。決してスピードは無いのですが、絶対に間違えないのです。化粧品の製造場所で過去に働いていて、研修期間中に一度も間違えてない事が評価されて社員として雇われたと言っていました。
 
 でもね、言い訳をすると、仕込みを間違えるときって言うのは、大体集中できていない時なんです。
僕もよく「計量中は私語は厳禁」と言われまして、仕込みをやりながらオーブンをやれば、オーブンのタイマーを押し忘れてパンを焦がしたり、新人にオーブンの仕事や仕上げを教えながら計量するなんて、とてもとても僕のキャパじゃ追いつかない。もし、ミキサーのある部屋が外から丸見えだとして、そこにキレイなお姉さんがこっちを見るだけでもう営業妨害になりかねません。
 
 さらに、失敗の要因がそういう初歩的な材料の入れ忘れならまだしも、発酵時間やこね上げ温度によるものだったり、成形だったり、あるいは複数ある場合だと、なかなかその失敗の原因までたどり着けないで終わってしまうこともあるんです。
 それを補うのが経験ですよね。そういう原因までたどりつけば、ダメになった生地も再利用できてリカバリーがきくんです。

 35年パン屋の元上司がいいました。
「パン作るだけなら1週間もあればできるんだよね。でもそれだと失敗した時に生地は捨てるしか無い」って。

パン屋自体はこの失敗が無く、発酵時間とこね上げ温度を守って決まった温度で焼けば、最低限のおいしいパンは焼けるんですよ。
でも、実際はこの失敗があるから、パンの味が安定しない、パンの味が安定しないと、お客さんって同じ店に何度も行かないんですよね。
 僕も近くの飲食店が料理人によってしょっぱい時と味が無いときがあって、たまにしかおいしくないお店なので、いつのまにかいかなくなってしまいました。
 それと同じで、たまにおいしいけど、たまにまずい、おいしいまずいまずいおいしいまずい、、、そんなパン屋よりも、最低限の味をキープした ふつう、ふつうふつう、やっぱりふつう的なパン屋の方にお客さんは行くんです。
 だから、チェーン店の多くは冷凍生地を使って失敗を減らし商品を安定させたり、あるいはミックス粉を使って失敗する可能性を限り無く減らして商品の安定を図るんだと思います。(ミックス粉のパン屋だと、イーストと卵と水を入れればいいので計量ミスが減るのと、発酵によって生地がブレることが少ないんです。それに時間も短縮できます。ただし粉が小麦粉の2倍以上の値段します)もちろん、人材不足だったり、経験者は人件費がかかったりするのもあると思いますが。(ある程度パン屋経験があると、パートやアルバイトで働こうとはならないと思うので)

 というわけで、もしパン屋の独立を目指してる方、是非色々失敗してみてください。

あ、ちなみに僕のパン屋で失敗したら、失敗したパンにごめんなさいして、一口食べてもらうようにしてます。
 たまにそれをおいしそうに食べてるのを見ると、コイツ確信犯かって思いますけど。

 それでは、パン助でした。
 
posted by pansuke at 23:48 | Comment(2) | パン屋のアルバイト