2019年08月04日

家賃が売上の○パーセントというテナントを借りてはいけない理由

 こんにちは、パン助です。

最近テナントをいくつか探していたのですが、今は農地か、市が運営している施設の中にある喫茶店で迷っています。農地は年間1万円〜、ビニールハウスがある場合は3万円ぐらいで借りられます。年間です。
 そして、市が運営しているところはイベントホールにある喫茶店なのですが、ほとんど平日は人が来ないので、駐車場も100台以上、広い多目的スペースなどがあり、こちらは月5000円です。
しかし、年中無休などの縛りがあるみたいで、今いる喫茶店オーナーが代わってほしいと近所のカフェに連絡をしているのですが、皆断っています。
 こういう多目的スペースにある激安物件は、喫茶店という縛りで考えなければいくらでも活用方法があります。
例えば、パン教室もそうですが、パン教室を自分でやらなくても、他の人が○○教室を開催したいときに場所を安く貸してあげたり、パン教室とは違う業種の小イベントを開くのに向いていると思います。とはいえ、何かの縛りがあるというのは実は結構大変なんですね。特に人件費が上がった今、年中無休というのは本当に大変だと思います。市としては喫茶店として機能していればいいと思いますが、このあたりは契約を見直した方がいいでしょう。

さて、最近は色んな出店の費用について考えていましたが、僕が最もお勧めしない、テナントの家賃形態が、「売り上げの○パーセントが家賃」という所です。

このほとんどが、昔からテナント家賃が変わっていません。
お客さんの数は年々少子高齢化で減るのに、材料費は増税でどんどん上がるのに、人件費はカツカツで大変なのに、テナント家賃というのはほとんどが上げることはしませんが、下げることもしません。
 
例えば、先日のブログにも書いた野菜販売所。
実はもう何年も出店するお店がありません。
場所は二階で、一階が野菜やパンなどを近隣のお店から集めて販売しています。イチゴやスイカ、トウモロコシのシーズンはにぎわいます。ここの家賃が売り上げの10%です。

 都内では20%のところも珍しくないそうです。
でも、人口が増えている都内と違い、こっちはどんどん人が減っている地方。
地主側としては「パン教室などのイベントをやってもらえるんですか?」
「お菓子が作れるのであれば、イチゴのフルーツなんかも作って欲しいのですが」
「ケーキやパンも置いてほしい。」「喫茶店におけるアイテムの開発を」

僕(え?こっちがお金払うんだよね?売り上げの10%、つまり日商5万円のお店だとしても、週一休み、26日営業として、130万円売れたら、家賃は13万円。もちろん一人じゃ無理だから2人〜3人雇うし、電気光熱費を考えないといけないし、材料費も値上がり傾向だし、売れ残りの処分が大変だし、売れなくてもなんの保証もないし、売れたら売れたで頑張った分だけ、売上を搾取するのに、それに加えてさらに要望まで言い出すってそれはもちろんこっちの要望ものんでくれるんですよね?寝言言ってないで起きてください、もう令和ですよ?)

ちなみに日商5万円、月商130万円の場合
家賃(売り上げの10%)13万円
電気7万
ガス、水道1万
材料、ロス含む、50万円
人件費一人あたり20万円×2=40万円
包装資材5万円
通信費1万円
広告費3万円
利益
130万円−120万=10万円 チーン
利益10万円。
これに、借金がある場合はその返済が加わります。年商1000万を超えると、2年後に消費税を支払います。固定資産税、所得税も払います。住民税は…所得が少ないので免除される場合もあります(泣)年金もこれだと免除が通るレベルです。
もちろん、この人件費を人を雇わずにやれれば、自分の利益になりますが、その場合は26日の週一休みで、パン屋は自営業だとほぼ一日12時間以上の労働になるので、上記の売上で、人を1人雇った場合の時給は約960円です。え、一日12時間?実際はそんなに短い時間で済むわけないじゃないですかー(あははは)



今の時代がいかに一人でやっていくのが大変な時代なのか、こんなざっくりとした数字でもはっきりわかります。(実際のお店のデータを元に算出しています。)ましてや、自分のお店があることで人が来るのであれば、むしろこっちがお金をもらいたいぐらいですよね。なのに、そういう還元サービスはほとんどないんですよ。

そこで、もしこれからショッピングモールやスーパーにテナントで入る場合に、売上の○パーセントがテナント家賃だったり、ロイヤリティが必要な場合は「最低家賃があるのだから、最高家賃も作るべき」と提案してください。
携帯で言うダブル定額みたいな感じです。要するに、売上の10%が家賃だったとしても、売上が100万円を超えたら、家賃10万円が上限の家賃とするなど、契約書に追記してもらうことです。

誘う側はみんな言いますよ。
「素晴らしいパン屋ですね!これならお客さんは来ますね!」
「是非ウチのテナントに入ってください!あなたのお店が必要なんです!」
「本当は家賃を上げたいんですが、あなたのお店が入ってくれるなら上げずにいきますよ!」

みーんな優しいですよ。だって、テナントに入ってもらえれば、それだけで保証金で500万円(テナントによる)、すぐに撤退したらその500万は丸儲け(大体5年は続けないと保証金が返ってこない仕組み)。家賃はそのお店が売れようが売れまいが、毎月固定で入ってくる。ポイントカードやら環境費やら、レジのキャッシャー代やらレンタル代、皆出店者側が強制的に支払う。そりゃ、持ち上げて入ってくれるだけで向こう5年分の利益があるんだから、そりゃ歓迎しますよ。続けても続けなくても儲かる仕組みになってますから。


これから出店しようとする人に正直に言いますね。
「家賃が売上○パーセントのテナントとコンビニは、絶対やめた方がいいですよ。命と時間の無駄遣いです。本当に。」どうしてもの時は、先ほどの最高家賃を提案することをお勧めします。今でさえテナントはどんどん潰れていますから、今に向こうもこんな悠長なこと言ってられなくなります。
(っていうか、殿様商売やってきた人たち危機感なさすぎ。)

今後僕は本気で農地に店を建てることを推奨します。家賃年間3万円って。

その方法については、また今度お知らせします。

 それでは、パン助でした。
posted by pansuke at 23:18 | Comment(4) | 開業前に必要な知識
この記事へのコメント
パン屋さん、なかなか厳しいですね。こちらの試算で家賃0円でも利益23万ですもんね。そこから税金、年金、健康保険‥。現在開業4年目で何とかやってますがサラリーマンと違い扶養とかがないので妻とダブルの年金、健康保険の支払いがつらいですね‥。
Posted by ブレッドツェッペリン at 2019年08月14日 22:57
ツェッペリンさん

材料費あたりは試作やロス、バターや生クリームを使うかなどで、結構差が出ますから、少し多めに設定してあります。
 また、人を2人雇うほどの売上ではないと思いますが、一人だと大変です。

 今のままだと旨みが無いまま続けてやりがいを奪われてしまうこともあるのではと思っています。

なので、これをどうやって乗り切るか、対策を立てる必要があり、それに取り組んでいます。

 
Posted by パン助 at 2019年08月20日 20:46
パン助さんパン屋のコンサルタントとか出来そうですね。応援してます。最近消費税や最低時給が上がる話や年金など暗いニュースが多いのでなんか景気のいいお話あればお願いしますっ。
Posted by ブレッドツェッペリン at 2019年08月28日 20:40
ブレッドツェッペリンさん

いっつも値上げの話ばかりで嫌になっちゃいますよね。

僕には大きく分けて5つの計画があります。
一つは3か月でできるもの
一つは半年でできるもの
一つは1年かかるもの
一つは3年かかるもの
一つは5年以上かかるものです。

今は借金のラッシュでなかなか行動にまでいけませんが、ひとつひとつ逃げずに立ち向かっていけば、それが他のパン屋さんの力になると信じています。

コンサルも勉強していますが、数字が弱いのでもっと根本的に叩き直さないといけない気がします。

 しばしお待ちを!
Posted by パン助 at 2019年08月28日 22:00
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