2019年07月27日

農家の事情と農地転用とパン屋さん

 こんにちは、パン助です。

今、観光農園の方から出店の依頼があるんだけど、正直なところ今一人でパン屋をやるのはよっぽどの好条件というよりも、自分の気持ちが前向きではないので難しいと思う。
 今どうしても考えてしまうのは、売れ残ったパンの処理。あのメンタルが擦り切れる状況を思い返すと、作る楽しさよりもあちらの溜息の方が勝ってしまう。
 
 無論、そうならないための対策はいくつかある。
だけど今はお客さんのためよりも、自分が作りたいパンを作りたいだけ作って、パン教室でワイワイやるぐらいの緩さがほしい。今パン屋をやると気持ちの余裕がなくなるのだ。利益や売上や体調や天気や景気やお客さんの機嫌に振り回されながらやって、残ったものが月十数万円以下の給料では、割に合わないのだ。

 その辛さを知っているから、気づけることや人に伝えられることはある、けど、ただ単純に僕が思ったのは、お金をとにかくかけずにできる方法は無いだろうか、ということ。それぐらい、初期費用にお金をかけるのはデメリットが大きいと何度も経験してきたからだ。

 そして、そういうヒントは、こんな田舎の畑にも落ちていた。

農地を利用する。
 農地には結構いろんな厳しい条件がある。
基本的に自分が農家で自身の農地を持っているならある程度の範囲は自由がきくけど、誰もがそんな持っているわけではない。
 が、僕は抜け道があるのではないかと思った。

農地というのは基本的には農業に関することでしか使えない土地だ。
これを農業と関連付けるなら、パン屋は難しいと思う。
だけど、農地は場所によっては農地転用という手続きを行うことで家を建てたり倉庫にすることもできる。


では、田舎の農地はそんな簡単に借りられるのだろうか。
 実は農地は今の高齢化で、新規参入する企業や若者が独立しているケースはある、がそれでも今の農地は有り余っている状態だ。農業に働きに行くと、そのほとんどがシルバー人材派遣だ。(おもに定年退職した人が利用する派遣センター)
 仕事の速度は、70歳でも現役バリバリの人もいるが、やっぱり暑さや寒さに気を付けないとすぐに体を壊したりするので休憩が多く、大体が30代40代の半分の速度ぐらいになる。
 
また、観光農園(道の駅みたいな野菜やパンなどを集めて販売する)の売上も年々落ちていて、今僕が話をしているところは昨年度より8000万円程売上が落ちている。(大体3億〜4億円ぐらいの売上)

その原因の一つが、地元野菜の量の低下である。 
 農業に新規参入する人達は、おそらく効率化を求める。
するとどうしても、いちご、スイカ、とうもろこし、などの旬がハッキリしていて売れる事がわかりやすい、人気野菜に集中する。(故郷納税とかでも人気で売り先があるというメリットがある。)すると、あまり目立たない葉物野菜などは元々作っていた人達しか作る人がおらず、そういう販売所に持ち込むことができなくなっている。

 例えば、野菜一つとっても販売所に卸すにはスーパーの個人の人が売ってる野菜と一緒で、ラッピングやラベルの貼り付けが必要になる。パン屋さんでも卸をしたことがある人はわかると思うけど、この作業だけでもビニールとラベル、それを貼る人件費だけでも年間単位だと数十万円以上かかるので、割に合わなくなってしまうのだ。

 つまり、旬の野菜の時期はイベント感覚でいちご狩りやスイカ祭り、とうもろこし祭りなどである程度にぎわう野菜販売所も、日常で使うような葉物野菜が無くなるとそこにお客さんは普段行かなくなってしまう。
 農家の減少はそういった新鮮な野菜を売る野菜販売所などにも打撃を受けていた。

そこで販売所が取った行動は、農家に販売する野菜やパンが届くのを待つのではなく、直接回収しに行くことだった。
 
高齢化して育てることはできるが農地を縮小していく農家。そんな人達の家に毎日行って商品を回収して少しでも卸す手間を減らす。農家にとっても販売所にとってもメリットのある方法だ。しかも、回収先は車で1時間程かかる市外までも行って、そうまでしてでも行動にでないといけない程、売上に影響がでているのだ。

 そんな時に、ひょこっと現れたパン助。たくさんの企画をぶらさげてそれなりの経験と謎のプレゼン能力(笑)があるので、結構話を聞いてくれる。ただ、人に求めることの大変さを知っていればそう簡単に他人に求めたりはしない。パン屋を知らない人ほど簡単に○○屋作って◆◆作ってよ、という傾向にある。その大変さを知らないからこそ簡単に言えるのだ。

 ということで、現状はお店を出す事よりも、パン教室や農園教室の方がいいと思っている。ただ、もしそういった場所にお店を出す場合、テナント家賃として売り上げの10%前後が相場だ。卸すなら20%が相場。決して安くは無い。求められるものは多いのに安くはないのだ。でも、テナントのメリットは空調やトイレの綺麗さ(農家は仮設トイレが多い)駐車場の確保や整備、警備の安全性などのメリットはもちろんある。知名度も大事な要素だ。そういった点は揃っている。

 結局現段階では、パン教室をやるのはいいけど、パン作りをやって両方兼用はやる気が無い。そこには喫茶店があるので、そこの設備に製パンやお菓子作りを作れる設備をそろえて、そこにレシピの提供や作り方を教えて売れるパンのベースと販売設備の用意と保健所の要件のクリア方法を教えるぐらいはできるけど、それなりにお金がかかるので楽ではないだろう。

 で、話はタイトルに戻るけど、農地転用。

そう、農業の減少から農地を転用することができる場所が増えている。
農地は基本的に畑や田んぼとしか使えないが、農地の条件によっては宅地や倉庫などの別の用途にすることができる。しかし、農園などの受付の事務所やそれに使う駐車場など、全部が全部農地では無い所も多い。その判定は市や県の農業委員会や市役所での管轄があるのでそこで聞いてほしい。が、できることなら農地は固定資産税が安く、しかも土地代も年間数万円程度。できることなら農地として使うことが一番いいのだ。

非常に腹黒いが、要するに農業のために農業教室を開く、その受付事務所や休憩所などは農地扱い、仮にその空スペースに農業教室で取れた野菜を加工したパン教室を付属させ、そこからさらに農業でとれた野菜を使ったパンを売ることに展開させたら、もうこれ農業の一貫じゃん!とならないだろうか。もちろんその最終判断は農業委員会に委ねられるので、自身での判断はできないが、その過程が結果的に農業の発展につながるか、メインがどこになるかで変わってくるのではないだろうか。

 正直テナントに売り上げの○パーセントの家賃を払うって当たり前のようでいて、どこか理不尽さを感じる。やりがいの搾取というのか、頑張ったら頑張っただけお金を奪うってどういうことだよ?ってのが一生尽きて回る。税金もそうだけどね。
 
 ネットで先日、どこかのイオンがテナントが撤退しすぎて清閑な美術館みたいってのが載ってたけど、見ていてどこかスッキリしてしまった。増税に加えて、人件費、材料費が年々上がっている今、テナントの元締めが「ウチはテナント賃料が創業以来上がってないんです」とかドヤ顔で言われても、「元々が高かったんでしょ?(っていうか実際はテナント賃料以外の部分でゴミ処理代、環境代、ポイントカード代、レジ、キャット代広告費などが高いし、そこを値上げしている可能性がある)」と言いたいし、そんな悠長なこと言っていつまでも昭和頭を引きずってるといつのまにかテナントがいない国の裸の王様になるぞと言いたい。

 さて、何かのヒントになったでしょうか。

そういえば、僕の前の会社、今非常に慌ただしいです。
来年に向けての大きな仕事が入っているのと同時に、営業の方以外に僕が辞めた後に2人程辞めてしまい、高齢の体調不良で動けない方もいて実質1人で営業をしている+他の人の仕事をこなしているとのことで、見積もり依頼の問い合わせの返事が1か月以上返ってきていません。申し訳ありませんが、現在見積もり依頼をされている方には別の提案をして返信をしております。ご了承ください。

 それでは、パン助でした。
 
posted by pansuke at 14:09 | Comment(2) | 開業前に必要な知識
この記事へのコメント
今は農業次世代人材投資資金の制度があるので、若い人の農業参入は増えているようですよ。とはいえ、助成金も期限があるので、そこを超えても利益が出るようにするのも大変なようですが。

また、農地は整備が行われて以降は大手が大規模に借りる、ということが多いようです。
異業種が農業に進出しているところがけっこうあるようで、資金があるので、僕の地域の近くでも、いきなりビニールハウスが複数棟建った、なんてこともあります。
そういうところは売り先も事前に確保されているようです。
Posted by キイロイトリのパン屋(仮名) at 2019年07月27日 19:06
 キイロイトリのパン屋さん

農業の融資は利息が0%の物があったり、かなりの優遇がありますね。若者がやっているところと、年寄りと二極化しているように思えます。

ウチの父の実家の農地もイオンが借りているのですが、そうじゃないところは茶畑も草がぼうぼうで、跡継ぎがいないという話をよく聞きます。

今日は暑くて本当に仕事が進まなくて大変でした。キイロイトリさんも、そっちは静岡よりも暑いので、熱中症にお気をつけて!
Posted by パン助 at 2019年08月01日 20:09
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