2019年03月02日

モバックショウの続き、売れるパン屋さんの話の詳細。

 こんにちは、パン助です。

モバックショウ2019のセッション、愛工舎の代表取締役、牛窪洋光と、ジャパンベーカリーマーケティングの岸本拓也氏の対談。
「新発想で作るこれからのベーカリー。」
参加者は100名前後の枠だったので、もう少し詳細を載せておく。撮影不可だったので記憶をたよりに。

事前予約はいっぱいだったけど、当日参加で普通に入れた。
10分程VTRが流れる。
岸本拓也氏の過去のテレビ出演のVTRをまとめたもの。
VTRの最後に「岸本拓也、登場〜!!」みたいな感じで本人登場。

そこに表れたのは、上下が紫色のジャージを着た、サングラスをかけた黒髪の男。
第一印象は「胡散臭い。」これに尽きる。

しかしこれが彼の計算だったことに気づくのはもう少し後のことである。

その後の対談の中で愛工舎の代表が、岸本氏がよく「残像感」という言葉を使うというのですが、これはどういうことですか?と尋ねていた。

「残像感」とは何か。
これはニュアンスなのでおそらくとしか言えないけど、「記憶に残る余韻のような物」と、僕は捉えた。
人の記憶にどう残るか、それを彼は非常に追及している。
 
そして、パンが売れる条件。これを彼は3つ大きく掲げた。
「作ること」「売ること」「広めること」
この3つ無くしてはパンは売れないという考え。

僕も作ること、売ることは重要と考えていたが「広めること」に関しての考え方がこの人とは違っていた。要するにSNSや口コミを使った僕の広め方というのは、一言で言うと「甘い」のだ。
多種多様化しすぎていて、情報が煩雑化されている今の社会では、どこかぼんやりした漠然とした広め方だった。
彼の言う広め方は、VTRにも出ていた「計算」という言葉の裏側にある。

要するに彼は、お店が売れる条件を計算して作るという。つまり、売れることを狙うのだ。
そのために何をしたのか。

彼のお店の最大のインパクトはまず「名前」である。
「考えた人すごいわ」という名前の食パン専門店。
「でぶぱん」という大きなコッペパンサンドの専門店。

そういった専門店の看板も非常にシンプルだ。
シンプルの一番のメリットは「わかりやすさ」だと思う。
いや、ここでいうわかりやすさはちょっと違う。なぜなら、わかりやすさを謳うなら「食パン専門店」と書いた方がわかりやすいだろう。ここではインパクトを最大限に与えるための、人の記憶に残る名前を印象付けている。人の記憶に残る名前としてシンプルなのだ。

ところが、対談の中で岸本氏は「名前についてはあまりこだわりが無い」と言っていた。
これはどういうことだろうか。
僕の解釈では、これは「人々に印象さえつければ、どんな名前でもいい」というニュアンスだと思う。
ここで重要なのは、「名前」や「意味」ではなくて「印象」なのだということがわかる。

ここでふと思ったのはローソンの「あくまのおにぎり」だ。これも名前だけでインパクトがある。が、中身はわからない。だから食べてみようってなる。
 ただ、名前に意味よりも印象を優先するって勇気がいるんだよね。いくら立派になってほしいからと自分の子供の名前に「総理」とか「天皇」ってつけるのはなかなかね。
そこには一般的な感性の人にはハードルが高いなとは思う。だからこその印象なんだけれど。

 さて、次にあったのが、さりげなく話していたんだけどとても重要なことを言ってるなと思った。
それは「素材の良さをダイレクトに伝える」という言葉である。
この言葉も実にシンプルな考えだ。でも、この言葉にはこの人の職人魂が伺える。
 ここで気にしてほしいのは「職人の自己満足の素材のこだわり」と、「客観的にもわかる素材のこだわり」だ。

例えば、「この卵はどこどこ産の卵で、砂糖はどこどこ限定の、、、」と職人に言われて食べてみたとする。
でも「ああ、うん、おいしいけど、こだわってるんだなぁ」となるか「これ旨い、他のと全然違う!」となるか、そのこだわりの良さがハッキリとお客さんに伝わらないと意味がないのだ。

つまり、自己満足でどこどこ産の卵とどこどこ限定の砂糖を使っていたとしても、職人「ああ、この違いがわからないのか、味覚が鈍いんだね、これだから素人は」みたいに、自分だけがわかるこだわりがあったとして、それが一体お客さんにとっては何の意味があるだろうか、ということ。

 つまり、いくらこだわりがあったとしても、それがお客さんに伝わらないと意味が無い。
これも残像感のひとつではないかと思う。印象をとても気にしている。
 ちなみにこれと同じかわからないが、過去に、大阪北花田のココアというパン屋でパンを食べた時に「な、なんやこの甘味は!?」と、クロワッサンみたいなパンのシロップか生地の甘味がとても独特でとても記憶残っている。未だにこの甘味が何かはわからないけど、僕の記憶に確実に素材の良さの違いを叩き付けるようなインパクトが、思わず関西弁になってしまうぐらいにあったことは間違いない。
 
 岸本氏は、素材にこだわるためにその素材を徹底的に探すと言っていたが、これは売れる条件の一つ「作ること」をシンプルに具体的にしたものだとわかる。

 最後に彼がまたさりげなく言った言葉。それが「期待値」である。

前回のブログでギャップによる説明をしたけど、これはこの「期待値」という言葉からの追求だ。

彼はお店の外観をオシャレにしようと思えばできる、でもあえてしないと言っていた。
 これは先日のブログでも書いた通り、要するに完璧な外観からお客に与える先入観は、最高のハードルになってしまうということ。100点から入ると人は減点方式になっちゃうけど、50点ぐらいならいいとこ探そうってなるでしょ。たぶんそういうこと。(前回のブログで細かく説明したので今回は雑に説明w)

 そういえばファッションモデルも完璧なファッションよりも一点あえてダサさというか、ツッコミどころを用意すると言っていたけど、それと関係あるかもしれない。(関係ないかもしれない。)

 でも、彼の紫のジャージの胡散臭さは、彼の真面目なトークと質問にも真摯に受け答えする姿勢から、あとになってこれも計算か!!となった僕は少し悔しがっていた。僕も紫のスーツを着ようかな。


 
 さぁ、頭ではわかったけど、実践でこれをできるでしょうか?


とりあえず頑張ってみるしかないんだけどね。今月か来月には頑張って子供パン教室開きますよ。

 もうちょっとしたらブログで製作過程をあげるので待っててください。

それでは、パン助でした。
posted by pansuke at 22:46 | Comment(2) | 開業前に必要な知識
この記事へのコメント
パン助さん、こんにちは。

パン屋さん以外にも応用できる話がいっぱいで勉強になります。
ありがとうございます。
Posted by オッホ at 2019年03月05日 08:07
 オッホさん
こんにちは!
 今回の記事は我ながらよく観察して書けたなとちょっとニヤニヤしてます(笑)

人を本やネットだけでなく、直接話を聞くと声や話し方から生き様がわかってより深く考察できる気がします。もっと色々セミナーとか参加してみようかなって思いました。

でも僕が勝手に思ってるだけで、本人が全然そんなこと考えてなかったりして(笑)
Posted by パン助 at 2019年03月05日 08:54
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