2015年01月17日

起業する前にひと呼吸置きましょう

 こんにちは、パン助です。

接客の極意の途中ですが、今回は不動産屋さんと物件の下見に来ていた時に出会ったおばあちゃんとのお話を少々。

 先日シャッターが下りている物件があり気になったので近所の不動産屋さんに聞いてみたところ、オーナーは他県に住んでいたのでそこの不動産屋さんがコンタクトがとれるということで、後日案内してくれることになった。
 
 そしてその当日、僕がちょっと現場に遅れて到着すると、不動産屋のおじいちゃんが、何やらおばあちゃんと話しているのでちょっと話に加わってみた。

おばあちゃん「…あそこの物件、家賃5万円だったでしょ?あんたんとこで扱ってないの?」

不動産屋さん「あれはウチじゃないよ。」

おばあちゃん「あそこパン屋さんになったけど、すぐ潰れちゃって。私あそこお店が始まる前からずーっと見てたんだけど、何やら大きい機械持ち込んで、あんな狭いところにって。でもすぐ潰れるって思ってたのよー」

パン助「(僕のパン屋じゃないか!?)」

そこは僕がオープンさせて赤字のために半年程で潰したパン屋でした。僕はこのおばあちゃんが結果論でものを言ってるだけだと思った反面、なんか家賃とか具体的に言ってるし気になったので聞いてみる事にしました。

パン助「あそこのパン屋、中が不衛生でゴキブリとか凄かったので、他のところに移したんですよー」

おばあちゃん「あらあんたんとこ!?そうでしょ!?あそこはもう20年もあるしオンボロだからね。」

パン助「(詳しいなこの人)でもなんであそこは潰れるって思ったんですか?」

おばあちゃん「あそこはね!駐車場!ほらあそこのお店は目の前に駐車場無いでしょ?今の若い衆はダメ!目の前に無いと。コンビニもそうでしょ、車停めてすぐに無いとダメよー」

パン助「(なるほど意外と的を得てるなこの人、一体何やってる人なんだ?)」

おばあちゃん「で、私あそこを借りたくてね。今の若い衆を元気にしてやりたい!」

不動産屋さん「あんたは今なにやってるの?」

パン助「(おじいちゃん、ナイス質問!)」

おばあちゃん「私!?私は鑑定士よ!」

不動産屋さん&パン助「鑑定士??」

パン助「土地鑑定士とかですか?」

おばあちゃん「違うわよ!人生の!」


 突如僕の目の前に現れた人生の鑑定師を名乗るおばあちゃん、なかなか鋭い目つきをした、アニメ映画のサマーウォーズで途中で亡くなったおばあちゃんをちょっとしわくちゃにしてキツくしたような感じの人でした。


おばあちゃん「私はね、今の若い衆をもっと気持ち燃やして、頑張ってもらいたいの」
 

 なんていうか、シンプルなんだけど心に響く単語を振り回すこのおばあちゃん。
熱い思いを僕も感じていたのか結構話は真剣に聞いてしまいました。


パン助「そういえばあの物件(僕のパン屋があった所)は○○不動産ですよ。今はテナント募集出してないから、直接不動産屋さんに聞くと大家さんと連絡とってくれます。」

おばあちゃん「あら、そう。○○さんとこの。そういえば不動産屋さん!あそこの大家さん子どもが継いだけどあそこの大家さんのウチにね、前に色々相談しに来たときに言ったのよ!」

おじいちゃん「うん」(もう話長くて面倒くさそう)

おばあちゃん「あそこの○○さんとこの庭に大きな木があったでしょ!?私ね、あの木は切らない方がいいわよって言ったのよ!そしたらね、木を切っちゃって!!」

おじいちゃん「うん、亡くなったね」

おばあちゃん「切らない方が言いよって言ったのに、、切っちゃって!木を切ってる最中に頭がちょっとおかしくなって、木が家に向かって倒れたのよ!」

 聞いた話によると、僕が前に借りたパン屋さんは大家さんの子どもが貸し主なのですが、その当時の大家さんは僕が借りるちょっと前に亡くなったのを聞いていました。
 どうやら自宅の土地の整備をするために木を切ったのですが、その木が自宅に向かって倒れたり、その直後に亡くなってしまったりと、なんだかオカルトな話。でも僕が気になったのは、、、。


パン助「なんでその木は切らない方がいいと思ったんですか?」

おばあちゃん「私はね、そこを見て思ったのよ!」

おばあちゃん「あの木は生きてたの!生きてたのよ!!」

パン助(なんかすっごい深い話になってきたのか!?) 

おばあちゃん「あんなに立派に生きてる木を切っちゃダメなのよ!」

パン助「はぁ」(なんだかわからないけど、説得力があるんだよなぁ)

おばあちゃん「それから、あの大家さんあんなに土地持ちなのに若い衆のために使わずに溜め込んで、それで亡くなっちゃって、子どもも同じでこのままじゃダメよ、年寄りのお金は若い人のために使わないと!」

パン助「そうなんですねー」(スケールでかいなー)

不動産屋さん「それじゃ、わしは帰る」(ホント帰りたそうだった)

おばあちゃん「あらそう、あんたは元気だから大丈夫ね」

不動産屋さん「ハッハッハ、そうだね。そいじゃ」


パン助「…僕も何店舗かやってるんですが、なかなか大変で」


 どさくさにまぎれて人生相談するパン助。
すると意外にも即答でした。


おばあちゃん「それはね、呼吸を忘れたでしょ!?」

パン助「呼吸?」

おばあちゃん「なんでもそうだけど、始める前にひと呼吸置くのよ!そして事業計画書でも土地のことでなんでも全部書いて書いて、それで一度落ち着いて、良しっ!て思ったらそれから始めるのよ!」

パン助「は、はぁ、ありがとうございます。」(なんか説得力あるんだよなぁ)

おばあちゃん「呼吸を忘れちゃダメよ!」

 
 たしかに去年は特に忙しくて、ひと呼吸をする間もなく次から次から色々始めて、その結果がとんでもない無駄にお金を使って借金に振り回される毎日なってしまったのです。
  
 わずか15分程の出来事でしたが、おばあちゃんは文字通り嵐のように通り過ぎて行ったのでした。


 なんかでも、大事なことを教わったような気がする!

そんなお話。
 開業する皆さんの心に響く言葉はあったのかしら?


 それではパン助でした。
posted by pansuke at 00:22 | Comment(5) | 日記
この記事へのコメント
初めて投稿します。
パン製造歴、通算10年の隆行と言います。

昨年、こちらのブログを見つけ、
以降、度々拝見させて頂いております。

質問させて下さい。

一般的な小規模店舗の開業
(年商1500万程度想定)とすれば、

『個人事業で行うか、法人にするか』
どちらが良いのか、熟考しています。

パン助さんは、
その事で悩まれた事はありますか?

教えて下さい。宜しくお願い致します。
Posted by 隆行 at 2015年01月21日 12:50
 隆行さん
はじめまして!
 法人か個人かは、僕の知識の中で言うなら僕は個人事業主ですのであまり気にしませんでした。

 いや、正直に言うと、個人から途中で法人にすれば売上げが1000万を超えた後に法人化したら消費税がプールできてお得、と聞いていたのですが、そういう人が増えて来ていて取り締まりが厳しくなっていると商工会議所の人にも聞いたので、そういう裏技は考えないようにしました。
 法人と個人でのメリットやデメリットがわかれば、納得して選択できるかと思われます。
 できれば今度記事にしますが、とりあえずはお金がかからない個人で青色申告で開業届をするのが一般的だと思います。
 一度は商工会か商工会議所に行ってみてください。無料で相談できますよ。
Posted by パン助 at 2015年01月21日 15:07
追記
 一応、過去に何冊か本は読んだのですが、僕が個人でいいやとおもった理由。(記事にするほど詳しくないのでここに書きます。)


法人で面倒だと思った事 
定款の作成と立ち上げで自分でやれば安くはできるが、人に頼むとなんだかんだ30万位かかる。個人は開業届一枚と保健所の営業許可があればパン屋は開ける。


社会保険 
最初個人事業主は社会保険に入れないので嫌だと思ったが、個人でも自分は入れないがスタッフは入れる(社会保険にスタッフが入れるということは、スタッフは厚生年金が受け取れるので社員として安心してもらえる。個人事業主には共済やら個人向けの保険商品はたくさんある。)
 

法人税 
たくさん儲けているなら節税ができるとのこと、でも、始めて間もないのにそこまで儲かったときの心配をする必要はないかな、と思い、後からできるなら利益が出てからにしよう。と思う。


信用 
よく会社だと信用がある、と聞きましたが、個人店でもパン屋で信用に困った事はありません。むしろパンの味の方が信用問題に関わると思いました。(たぶんここでの信用問題は、融資などが受けやすいことにあると思います。ちなみに個人でも大手企業に依頼されれば口座作って取引もできます。)



決算 確定申告 
個人事業主はかなり融通が聞くといいました。ここが大きいです。僕は普段スーパーで買うので、細かい経理や税金の話は苦手で、法人にする場合は税理士も雇わないといけないのかと思い、よっぽど稼げるようになってからにしようという考えです。

結論。 
いつでも法人成りはできるので、ある程度利益や見通しが立ち、税理士や商工会に相談して法人化した方がメリットがあるとなった場合に僕も法人化する予定です。

あ、あと、個人だと、食品衛生法により他店に卸す場合に品質表示ラベルに個人名を書かないといけないですね。これで個人か法人か迷いました笑

 それから、誰でも迷うということは、どっちにもメリットがあり、デメリットがあるのだと思います。法人の方が絶対にいいなら、皆法人化してますもんね。そうじゃないってことは、法人には法人の、個人には個人のメリットがあるということだと思います。

 僕もいつかは一度は法人化する予定ですが、もうちょっと詳しくなったらまた記事にでもしてみますね。
Posted by パン助 at 2015年01月22日 01:04
お忙しい中、ご返信して下さり、
大変有難うございます。

私は現在日商15万の店舗での製造員として、
(製造2名、販売3名)働いています。

お話をお聞きして勉強になりました。
個人事業or法人、どちらが良いのか?
という事について、いくつかの参考書を読み、
知識としては頭に入っていますが、
実際に開業されている方からのご意見は
貴重で感謝しております。

私が不安に感じている点は、
「融資を2000万程、
借りる事が出来るかどうか」です。

頭金は1500万、用意出来ます。
テナントを借りて開業とは考えておらず、
土地を購入し、店舗建設し、開業致します。

内訳はざっくりとですが、
土地購入費1500万
店舗建設1000万
機材購入費500万
(上記、プラス計200万まで増資可)
運転資金300万
10坪程度の小規模店舗を想定しています。

法人化を選択すれば、頭金の額、
製パン製造歴等を客観的に捉え、
2000万程の融資を受ける事が
出来るのではないかと考えておりますが、

個人事業として申請した時、
果たして2000万の融資が
おりるのかどうか疑問が残ります。

個人事業として融資を受け、
開業された方が上司でおりますが、
1500万を申請し、実際におりたのは、
その半分である、750万だったと聞きました。

仮に法人とし、株式会社を設立すれば、
社労士や税理士は必須でしょうから、
当然経費が個人事業より掛かります。

しかし、メリットもあり、
難しい判断となりそうです。

パン助さんが仰るように、
どちらにもデメリットがあり、
正解など無いのかも知れません。

後悔しない選択をする為、
今後もしっかりと勉強していきます。

これからもブログを拝見させて頂きます。
応援しています。
Posted by 隆行 at 2015年01月23日 09:42
 隆行さん
15万の日商を製造2人と3人で生産できるなんて、よっぽど洗練された職場環境と職人さんなんですね。うらやましい限りです。
 
 融資が一番の問題でしたら、まず日本政策金融公庫か、銀行または信用金庫などで融資の相談をしてみてはどうでしょうか?
商工会議所が近くにあれば、月に一度は公庫の方が来て無料相談を行っているかと思います。
事業計画書を書いて公庫の方の展望を聞くのも参考になるかと思います。


 僕は毎回小規模を賃貸でお店を出しているので、過去の融資金額は、自己資金450万で、融資金額は800万円でした。
 
 これは昨年の事ですが、僕が相談したときは、自己資金の2倍までは一般的に融資が可能であると言われました。

上司の方と違う点は、僕の場合は既に3年以上の事業実績と売上げがあるというのが最大の強みだと思います。

 なので、賃貸で小さく始めて実績を作ってから融資を受ける、あるいは最初に小額で融資を受け、きちんと返済をすることで数字という目に見える信頼を作ってから高額の融資を受けるというのが確実な方法になるかと思います。


 ただ、隆行さんの場合は金額が大きいのと、法人化したとしても、おそらく融資担当の方も「融資を受けるために法人化をした」と言う方も見て来ているので、本質的には法人か個人かよりも、「貸した金を返せるかどうか」を見ると思います。
 

 隆行さんの年齢や立場もありますので、僕みたいに賃貸で安く済ませよう、小さくはじめよう、とは簡単にできないかもしれませんが、今年開店するお店の詳細をまた記事に載せますので、よかったらまた見てみてください。

Posted by パン助 at 2015年01月23日 16:23
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