2019年06月30日

開業前相談とは

 こんにちは、パン助です。

最近毎日右手に8時間鎌(カマ)を持っているせいで、右手がおかしなことになってしまい鎌の柄の部分(手で握る棒の部分)よりも強く握れない状態になってしまいました。
 ただ、外での体を動かす仕事はやっぱり気持ちが晴れるというか、汗がドバドバでるせいで水が気持ちいいし、気分も爽快だ。運動不足だったパン屋生活を振り返ると、やっぱり運動は精神的にリフレッシュできていいと思う。会う人会う人に「(色々あったのに)元気そうだね」と言われるので、顔に出てるんだと思う。

 さて、実は先日ベトナムの方が日本でベトナムのサンドウィッチ(バインミー)とベトナム料理のお店を開いたのですが、うまくいっていないということで僕に相談があり行ってきました。
 ベトナムから持ってきたパンの機械、ミキサー、ホイロ、オーブンを見せてもらうと、全部ベトナム仕様なのですが、機械整備もできるベトナム人の友人が半日で全部使えるようにしたというのですから驚きです。

 しかし、問題はお店。
覗いてみると、まずお店は和風の居酒屋の居抜き物件ということがすぐわかる店内。和風の畳やテーブルはそのまま使っているというのがわかります。
 メニューやポスターはオーナーが元デザイナーということで、友人が翻訳しているので問題なくわかりやすいのですが、お店の雰囲気が「THE 居抜き」という感じが強すぎてしまう。
 
とりあえず、バインミーを食べると、とっても美味しい。ついでにベトナム料理を食べると「辛いの少なめにしておきました」と言われ、野菜たっぷりの料理を出してもらいました。これも美味しいです。僕はベトナムの強い癖のある魚醤やトウガラシの辛いのが全く平気なので「本当に日本人?」とよく聞かれます。(笑)

 お店のアドバイス、と言われてもなかなか一言では言えないので、一応思ったことを一通り3時間ぐらい書き並べて伝えました。

ここではザックリです。

まずお店の雰囲気。ベトナム感をめっちゃ出してください。
ターゲットはベトナム人ですか?日本人ですよね?だったら日本人の学生、社会人、家族、男性、女性、年齢層をきちんと決めて、価格は今のままだとドリンクとセットで1000円超えるので、日本人のランチに1000円超えるのは厳しいです。ファストフードならファストフードのセットを意識して、ベトナム料理なら、台湾料理屋さんなどのランチや夜間の価格を。あと、価格をあげるならパッケージをきちんとしたり、メニューのコーラが缶の写真なので、グラスに注いだ写真に変えたりして等…。

 味に関しては、ベトナムの癖が強い醤油とかを使わずに日本人向けにしたそうなのですが、味のメインはタレなので2種類か3種類で分けて、選べるようにした方がいいとか、辛さはダメな人もいるから調整できるように唐辛子を小分けにしたりとか等…。

あと日本人は店員が私服なのを嫌うので、料理をする人、ホールの店員は恰好をきちんとして衛生面に気をつかったり、値段もきちんと表記する必要があるので、お客さんに不安を与えないようにしたり等…。
 
味の生臭さって駄目な人も平気な人もいるから難しいですよね。日本人は魚の生臭さを取り除こうと生姜を入れたり、臭みが無いことを良いとする風習が強いので。逆にベトナム料理はパクチー効かせたり、臭みのある魚醤が家庭の味だったりするようなので、そこは研究してかなり意識しているみたいです。

ただ、問題も山積みです。料理屋さんなのに駐車場が空いて無くて借りれなかったりで、それなら近隣のお客さんをターゲットにする必要があり、どういう客層にしたいかがふわふわしてしまい…。

幸いなのは、家賃光熱費以外にお金がかかっていないこと。借金をせずに機械もベトナムから持ってきて使っているので、いったん店を閉めて再スタートするとのことです。
 
でも、笑顔見るとすごく純粋な人柄が伝わります。笑顔は世界共通の挨拶ですね。まだ30歳前後で絶対いいやつじゃんって顔してるので、是非近隣に受け入れられて欲しいと思います。 

サンドウィッチに使ってるレバーペーストは自家製でとってもおいしかったし、家族で来ているらしく、ちゃんとパンの製造経験がある方がパンを作っていて、商品には誠実さが見えます。
「作ること」がきちんとできているので、問題はそれ以外の所ですよね。

 開業前相談とはそういったポイントがわからない状態で開業しないように、開業の失敗を防ぐいわば開業のシミュレーションができるシステムです。

例えば職場体験をしてその職業に就く前に職業を体験することで考えを改めたり再認識する時間が作れます。結婚する前に同棲して相手の日常を知ることで結婚生活のシミュレーションをすることも大事ですよね。

 でも、開業はそれをやることができないんです。
テストルームを備えている会社もありますが、開業する人は皆忙しいのでそれをやりません。それをやるための交通費だってバカになりませんし。たしかにそれはわかります。でも、開業してから失敗に気づくよりも、開業前にお金払ってでも学習する価値はあると思います。

 …っていうか、僕がそれを前の会社で提案したら、最近それを前提に既に場所と企業との取引を勧めてテストルームを作成していたのですが(行動が早い笑)
 でも、大手の企業もやっているテストルームですが、それにはいくつか欠点があります。

それは、まず、材料が揃わない。
 パン生地を作りたくても、そのテストルームに材料がありません。材料を持っていくとなると今度は、その材料を測る道具や自分が使っている器具も必要になります。ホイロやオーブンも新しいものなので設定は企業がやってくれても普段使っている機材との感覚を合わせるにも、テストルームの管理をしている人はパン職人ではないのでパンの相談ができません。
 粉一つそろえるにも、色々と持っていく場合は車になるし、あまりにもテストをするにはハードルが高いのです。
 
あとは、メーカーのテストルームの場合は、そのメーカーの機種しか置いていません。
また、購入を勧めてくるのが前提なのもなかなか面倒臭いです。僕は押し売りする営業が嫌いなのでそもそも他人が必要なら提案はしますが、基本的に予算やお店の規模と相談してから考えます。

 あとは単純に、他人のアイディアを使っても信念が通ってないから結局意味が無いんですよね。
なんのために僕がそれを考えたのか、その意図の本質がわかっていないから、たぶん今のままお客さんにその場所を提供しても、ふーんで終わっちゃうんだと思います。(最初テストルームを作るって言った時に誰かが「電源つながってる必要はあるのか?」と言ったのには本当に驚きました。つながってないならやる意味ないのに…。営業で一番大事な、お客さんの気持ちになって考えること、ができない人は営業の仕事は厳しいと思う。)
 
 僕もさっさと行動に移したいんですけどね。
0からのスタートなら、収入はそのままプラスになりますけど、給料の100%が借金の返済なので、毎日0.1歩も進めないもどかしさ。でも、もう沼地に城を築くことはしたくないので、きちんと土台をつくって焦らず行こうと思います。

 
 準備にはもう少し時間がかかります。


それでは、パン助でした。
posted by pansuke at 00:01 | Comment(0) | 開業前に必要な知識