2019年01月05日

「開業したい」を具体的にするために

 こんにちは、パン助です!

会社の餅つき機で大量にお餅を作ったので、毎日お雑煮で節約生活中です!

 さて、今日は開業する際に購入する機材を具体的にすることで、機材の価格が決まり、物件のサイズが決まり、開業費用が決まり、一歩一歩開業へ向かっていくことかと思います。
 しかし、機材を具体的に決めるというのは実は面倒な作業だったりします。

 なぜなら、機材の大きさを決めるには、物件の広さや予算を決めなければいけません。しかし、機材が決まらなければ物件や予算を決めるのにも時間がかかってしまいます。かといって、焦って急いで物件を決めたりするのも、パン屋生命に関わるので難しい…。なのでちょっとずつでも具体的にこうしたい、ああしたいを伝えてもらうことで、僕自身がそれを具体的に提案したり気持ちを汲み取ることができると思っています。
 
今回、開業のご相談を頂いた方は予算が決まっていたので、その予算に合わせて商品をそろえていきます。しかし、機材が決まらないことには金額が出せないので、そこをより具体的に話し合っていく必要があります。
オーブン、ミキサー、リバースシーター、ドゥコンディショナー、(コンベクションオーブン)、
冷凍庫、冷蔵庫、湯沸かし器、ラック、ガスコンロ、ショックフリーザーが必要とのことでした。

まず僕の過去の静岡のお店のケースですが
お店の大きさが横幅4,5メートル、奥行き約7メートル、30平米前後のお店(売り場6畳、製造室7畳、奥の製造室4畳)更衣室兼物置1.5畳、トイレ0.5畳、二階が屋根裏部屋7畳(事務室兼寝床))日商が4万〜8万、自分とは別に従業員が常に1〜3人という形態でした。

製造室7畳の部屋にオーブン、ドゥコン、分割丸め機、ミキサー、モルダー、テーブル冷蔵庫を置き、奥の4畳の部屋に、フライヤー、シンク、テーブル冷凍冷蔵庫、パイローラーをテーブル冷蔵庫の上に置きました。

この場合ですが

■オーブンは六取天板(W38p×D53p)の2枚差し3段の上、中段がスチーム付きの石床、下段が鉄板です。オーブンの大きさは(幅130p×奥100p×高170p)
食パンを大量に焼きたい、フランスパンにこだわりたいという方は4枚差しを推奨します。ただし、2枚差しが悪いというわけではなくて、僕の場合は2枚差し3段を最初に買い、その後に二店舗目で4枚差し3段を購入しましたが、フランスパンのできが明らかに4枚差しの方がよかったためです。しかし、これは2枚差しの方を温度やスチームを地道に調整することで対処できるかもしれません。4枚差し購入後に2枚差しの焼き方の工夫をしていないので、そのオーブンとパン毎に焼き方を何度も試せば理想に近いものができると思います。
また4枚差しは大きいですが電気代もその分かかり、場所も取り日商10万〜20万ぐらいでも対応できるメリットとデメリットがあります。僕の二店舗目のお店は人もたくさん雇っていたのに全然売れなかったので(日商2万前後で赤字でした)本当にもったいなかったです。

■ドゥコンディショナーは六取天板32枚差し。個別制御で上下段で上はホイロ、下はフリーザーなどに個別制御ができるタイプです。(幅95p×奥110p×高190p)

■ミキサーは30コート。生地が粉500g〜6kg(頑張れば粉8キロまで捏ねることも可能ですが生地の種類によって粉が飛び散ったり、固くてミキサーが止まる場合もあるので推奨は6kg位まで。(幅50p×奥70p×高さ140p)

■分割丸め機。大量に生地玉作って冷凍もしくは−5度で保存しておくと追加や注文時は楽です。1次発酵を取らず分割する方法もあります。(幅60p×奥60p×高さ150p)

■テーブル冷蔵庫。奥行きが60pだと僕はやり辛かったのですが、異業種でも使いやすいのか中古品は幅120p×奥60pタイプが多いです。人によっては幅120p、150p、180pや、奥行きが60pだと狭いという方は75p、90pと広いのが良いという方もいます。奥行き75p以上のタイプは番重や鉄板が入るというメリットがあります。(幅1500p×奥750p×高さ85p)

■ミニモルダー。ミニとついていますが、個人店で使うものは大体ミニモルダーです。工場などでは大型のモルダーがあります。食パンやロールパンを大量に作る際に重宝します。(幅45p×奥60p×高さ110p)

■フライヤー(乾燥ホイロ+ラック付き)。パン屋=カレーパンという意識があったので、ドーナツやカレーパンを作るときにあると良いですが、最近は揚げパンの無いパン屋も増えました。油の管理や価格が高いため、昔より利益率もかなり下がるので、無理に大きいものは必要ないかなと思います。あまり量を作らない場合はIHクッキングヒーターにお鍋で代用もできます。(幅150p×奥行60p×高さ90p)

■一層シンク。二層シンクだと片方のシンクを手洗い設備として申請できる保険所もあるので、地味に場所をとる手洗いシンクを無くして二層シンクにするのも手段の一つです。(※保健所に確認してください。自治体ごとに要件が異なる場合があります。)ミキサーボウルが入る大きさだと、洗浄が楽かもしれません。
(幅45p×奥45p×高さ80p)

■テーブル冷凍冷蔵庫。
番重や鉄板が入る冷凍庫が一つあると助かります。材料の冷凍品を入れる必要もあるので、一か所冷凍庫があると良いです。(幅150p×奥75p×高80p)

■パイローラー(リバースシーター、スーパーシーター、パイシーター等)
呼び名が違うのはメーカーの差別化のためです。伸ばすベルトの幅、奥行きも広いと便利ですがその分場所を取るので自分なりの使いやすさはあると思います。が、重要なのはローラーとローラーの最大幅です。クロワッサン(総量1800g〜2000、折込バター500g)などを生地を伸ばした後にバターを折込む場合はこのローラー幅が狭いと生地が傷むので、パイ生地やメロン皮を伸ばす場合は良いですが、このローラー幅(ベルトの大きさではなくて、筒状のローラーとローラーの間の幅です)が狭いものは注意してください。
これの厄介なところは、カタログの幅が同じでもローラー幅の限界値が実際よりもあそびがあるものと、無いものがあるという所です。とりあえず、鎌田機械制作所のKS−30の卓上リバースシーターを僕は使っていましたが、非常に使いやすかったです。それ以外には3店舗目と4店舗目でマサキ機械のPZAとPXCを実際に使っていましたが、これらもローラー幅が問題なく使用できました。海外の謎のメーカー品でローラー幅が狭いものを引いたことがあります。(幅150p×奥70p×高45p)

○さて、長くなりましたが、続いて相談者様のご希望の機材の説明です。
オーブン、ミキサー、リバースシーター、ドゥコンディショナーは上記に記載のサイズの機材を推奨します。
■オーブン:2枚差し3段、スチーム付き。
■ミキサー:30コートサイズ
■リバースシーター:卓上タイプ
■ドゥコンディショナー:個別制御の上下二室、32枚差し

■コンベクションオーブン:小さいものなら家庭用のガスオーブンがあります。
今回の場合は2枚3段差しのデッキオーブンに、コンベクションオーブンでクロワッサンやデニッシュ、小物のパンを焼いてもいいと思いますが、正直無くても2枚3段で日商10万円前後まで補えるので、コンベクションオーブンが必要な場合は後から追加でもよいと思います。(僕も最初コンベクションオーブンを考えていて、設置予定場所にガス栓を引っ張ってきていました。しかし、リンナイのガスオーブンで焼きましたが、デッキオーブンの方がクロワッサンの焼き上がりが良かったのでお店の大きさも考えてやめました。)

■冷凍庫:冷蔵庫:テーブル冷蔵庫、テーブル冷凍庫は場所を有効活用できると思いますが、作業台として使う場合にミキサーの近くや上で作業すると粉を大量に吸い込むので節電効率は落ちます。こまめな清掃が必要になります。中古品は電気代が非常に高くて年間で見ると返って新品よりも高くつくケースもあるので、10年以上経っているものに関しては要注意です。
サイズは実際にパンを作ってみて自分がしっくりくるサイズが良いと思います。高さは大抵の機種が微調整できます。縦型の冷蔵庫、冷凍庫などもあるので、お好みです。

■湯沸かし器:ガスコンロ:ガス用品はガス会社に依頼の方が良いです。というかガス製品は専門の知識があってもガスの取り扱いが非常に危険なためガス会社から許可がおりず、基本的にガス会社に修理依頼をしています。
また、都市ガスは湯沸かし器の料金も支払いますがガス代が安く、LPGは湯沸かし器を無料で工賃だけ支払って取り付けてくれると思います。ガス会社に確認してみてください。
ガスの料金が地域によって違うのは、マンションごとの契約だったりビル毎の契約で変わったりするので、その地域のガス会社やテナントのオーナーさんに聞いた方がよいと思います。

■ラック:六取天板のラックは在庫がすぐなくなるので、特にこだわりがなければトンボラックタイプならいくつかあるので、その中から天板にあったものをご用意します。

■ショックフリーザー:用途によって、どういった使い方をするかで紹介するものが分かれると思います。
ブラストチラーのように、焼き立てのパンなど熱いものを急速に冷凍するタイプのもの。
生地を急速に冷やすために使うなど。
 ただ、これはあくまで経験上ですが、ブラストチラーでもある程度熱いものを大量に入れると、冷えるのに結構時間がかかるのが現実です。もしある程度スペースが見込めるなら、熱いものを冷凍するなら1畳〜3畳ぐらいのユニット冷凍庫(冷凍室)のフリーザーを強力にしたものの方が冷やす力は強いです。
ブラストチラーやショックフリーザーは温度を下げる際に電気代がかかるので、室温が上がると意外に電気代がかかります。常に冷凍庫として使うなら電気代はユニット冷凍庫の方が少ないと思います(馬力にもよります。)


 すみません、長くなりましたが、こういった形で少しずつ開業を検討されている方のイメージが具体化できればと思います。

 今年はこれらを文章だけでなく、視覚化や動画化することでパン助だけでなくキカ助と営助の知識をフル活用して、これから開業していく方たちのお手伝いができればと思います。

 わかりづらい用語や表現がありましたら、コメントに記載していただければと思います。

 それでは、パン助でした。

 
posted by pansuke at 20:13 | Comment(4) | 開業前に必要な知識