2018年12月30日

中古機械取り扱い業者の闇、在庫を抱えるなら必要なのは整備する技術者

 こんにちは、パン助です。

先日、日本でもトップクラスに広い4000坪もある中古機材の取り扱い業者に行ってきました。
中を見ると、パン業界のものから色々な食品工場の機材が並んでいます。
 大型のオーブン、大型のミキサー、大型のボイラーなどなど、数千台に及ぶ機材。
でもこういうのを見るのが好きな僕もあまり心は踊りません。
 
 昔から中古のパン機材を見てきたので、そのオーブンやミキサーのタイプがひと昔前のもので、一応屋内においてあるのでそこまで状態は酷くないにしても、使い勝手がおそらく悪いことがわかっているからでした。

 また、中古業界の需要のあるものは回転のいいもの。身近なリサイクルショップの価格をみればわかりますが、需要のあるものは高く買い取ってくれて、需要のないものは買い取ってくれません。
ひと昔前はデジカメやプリンターなんかは買い取りを強化していたりしましたが、スマホで撮影ができる現在では売れない商品になってしまったり、どこの業界でも需要には時代があります。

だからどんなに状態が良くても売れないものは在庫になるだけなので必要ありません。ミキサーにしても50コートや60コートミキサーなら多少大きくてもそれなりに小さなパン屋さんでも扱えないこともないですが、200コートを超えるミキサーなんて買う人はそれなりに大きな工場を持っているだろうし、あえて中古品のリスクがあるものを買おうなんて思わないでしょう。
 オーブンも同じく、軒並みに潰れていく洋菓子業界を知っているこちら側からすれば、6枚差し3段のスチームが使えないようなオーブンはまず売れません。小規模で始めたいパン屋さんの問い合わせは僕の所にも相談がきますが、大規模な相談はほとんどありません。

 他にも、中古のボイラーを買う方や売る方も注意してください。
ボイラーは長期間使わないとすぐに使い物にならなくなります。ボイラーを売りたい方はきちんとメーカーに長期間使わないために取り外す処理を施してもらわないと、倉庫に寝かしているだけでダメになってしまい、売ることも買うこともできなくなるのです。(処理を施しておけば使えます。)そこの大きな中古厨房機器のお店もそれができていないため、大型のボイラーが全て見た目はきれいでも使い物にならないことがわかりました。

 結局それだけ広い敷地でも、倒産品をただ同然で拾い集めて並べていくだけの商売は厳しいんだろうなと感じました。

今の僕の会社はそういった整備をする方、技術者として開発をする方まで揃っているのが最大の強みなのですが、それでも整備というのは実はすごいお金と時間がかかります。これは僕も全然知りませんでした。部品をメーカーに依頼して交換するだけだと思っていました。
 
 ところが実際は整備したものを販売するには
まず全体をばらして部品の劣化や欠品の確認をして、交換。交換するには部品の取り寄せが必要で、メーカーに問い合わせて部品がまだ使われているか、なければ代替品を探すか作る、そして塗装。塗装にもいろいろありますが、ウチの会社は塗装も本塗装と言って、よくある塗装は今ある汚れた錆などの上からそのまま塗料を塗って終わりなのですが、ウチの会社の場合はまず錆や前の塗装を落とすために表面を研磨します。ここから塗装作業に入ることで、状態をほぼ新品の状態にすることができます。
 しかし、これに加えて1年の保証をつけて販売しているため、ここで出荷できますが、試運転時にチェーンの張り具合やオイルの量まできちんと基準を満たして稼働していても、今度は使っている人が従来の使い方をしていなかったり、乱暴な使い方をしていて壊してしまうケースもあってそういった整備後のフォローも行っているため、新古品といえそれなりにお金がかかってしまうのです。

 ヤフオクや先ほどの大きな中古厨房機器屋はそういった整備作業をしていないため、価格は安いのですが、リスクも同時に兼ね備えていると言っていいでしょう。

 僕のパン屋も最初はすべて中古機材でしたが、分割丸め機は開店直後に中の重りが割れてスクラップになり、オーブンはスチームが使えるはずがドレンが詰まってて使い物にならずスチームが出ないなど、結果的にオーブンとドゥコンは新品に入れ替えて、分割丸め機はほかのパン屋さんが使っていた直後のものを使用することで稼働できるようになりました。
 オープン直後に機材が壊れるあの絶望感、当時はそれもまぁパン屋をやるうえでの開業することの難しさでもあり楽しさでもあると思っていましたが、それができたのは当時の人件費と材料費がいかに安くて余裕があったのがわかりますね。

 今、パン屋、洋菓子屋、和菓子屋が本当に多く潰れていますが、その理由は皆さんわかりますか?

いろんな理由があると思いますが、次回はその点について考えていきたいと思います。

 それでは、パン助でした。
posted by pansuke at 08:53 | Comment(0) | 開業前に必要な知識