2018年05月29日

パン屋で人を雇う時の時給はいくらがいいのか。

 こんにちは、パン助です。

今の店舗の失敗談です。

 僕は、自分が今まで働いていたお店の大半は地域の最低賃金でした。
2008年、パン屋のアルバイト。
当時の最低賃金は700円でしたが、僕はパンを教わって開業するつもりでパン業界に入ったので
700円でも全然気になりませんでした。
 
 そして、いくつかのアルバイトをこなし、パン屋を開業させたのですが最初の募集は700円でもたくさんの応募がありました。まだ、このころはパン屋が激務だということはあまり世の中に知れ渡っておらず、当時のお子さんがなりたい職業は花屋やパン屋が上位に来る時代でした。

 そして700円でもたくさんの応募が来て、その中で人柄の良さそうな人を選びました。

ところが、それから数年たったころ、アルバイトの入れ替わりが激しい時期がありました。
当時働いていた人が辞める際に、「時給700円じゃやっていけない」と言われたのを覚えています。
その方は本当に頑張ってくれていたけれど、未経験だったので700円でも当たり前だと思っていたし、そのまま上げることはなく、辞めていきました。

 こんな言い方は失礼ですが「また募集すればたくさん人が来る」そんな時代で、僕もそんな考えだったので。

ところが、それから地域の最低賃金が751円、781円、、、と地味に上がってきました。
 それでも僕はやはり募集は常に最低賃金でしたし、それでいいと思いました。

でもここからが大変でした。最低賃金とは別に、材料費がどんどん値上がりしてきたのです。
 2011年頃クルミなんて一箱11.34kg入りのLHPが当時はまだ8000円とかで手に入る時代でした。
 ところがそこから一気に値上がり、12000、15000、16000、、、サイヤ人の戦闘力なみに急上昇しはじめたのです。(ちなみに2018年現在のクルミは18000円を超えます。)

 こうして材料費が値上がりすると、自然と今までぜいたくに使っていた材料がシビアになってきて、商品が小さくなったり、パンの中の具材が少なくなったりとちょっとずつ変化が起きます。
 するとお客さんもそれに気づいて客足が遠のいたり、お金を節約に切り替えてパン屋で買うのをやめてしまうお客さんが増えました。結果的に売上、利益が減り、人件費に割くお金も減り、人員不足で一人一人の仕事は増えて、じわりじわりとスタッフの負担と不満が増えるようになりました。

 こういう時にケアが上手なスタッフや経営者ならいいんですが、僕自身が2店舗に増やしてあっちいったりこっちいったりと現場にとどまることが少なくなり、不満を抱えたままで辞めたりするスタッフも増えました。

 結果的に僕のお店は1年以上続いているスタッフは900円や1000円まで上がったのですが、僕自身が鬱傾向でほとんど仕事をしないでまかせっきりだったり、いろんな詐欺にあってお金が回らなくなり、スタッフの給料を滞納したりして、スタッフが辞めてしまいました。

 だから、僕は次のお店では、きちんとした給料を払おう、ちゃんと時給を上げて割に合った仕事にしよう!そう思って、求人募集を地域の平均よりも100円近く高い950円にしました。


 と こ ろ が

来たのは未経験者ばかり。しかもパン屋さんで働きたいから来たのではなくて、単に時給が高いから来たような大学生や主婦からの応募ばかりでした。
 僕はその時は、今のお店がうまくいくと思っていたので、950円で未経験でも、地域の最低賃金より100円近く高いんだから、950円に見合うように働いてくれる、そう思って、950円で採用しました。

 これが間違いのはじまりでした。

パンが好きでパン屋で働きたい人は時給が低くても来ます。特に未経験者でパン屋で働きたい方は時給よりもやりがいを求めてくるでしょう。若かりし僕と同じ発想です。
ところが、時給950円にしたばっかりにただでさえ人手不足の中、自分のプライベートを最優先当たり前、面接では土日祝日OKなのに、GWと年末年始は一切でれません発言当たり前、おまけに仕事はメモをとってくださいと最初に言ったにもかかわらずメモ帳の一つも用意せず、本当にただエサ(時給)がいいから集まってきた魚のように、毎日のんびりと水に浮かんでるような速度でぷかぷかと仕事をしているような人たちが来ます。

 しかも扶養の範囲内で働きたいかたも多く、その方たちは103万が限度なので(2018年になって旦那さんの収入によって103万以上働けるようになりましたが)時給950円だとちょっとの時間働いても103万にたどり着くので、これも大失敗でした。扶養の範囲内で働く方には悪いですが、やはりちょっとでも多く働いてもらった方が身につくし、賃金もかからないし店にとっては都合がいいのです。

 僕は一体何を基準でこの人たちを選んだのか、僕の経験や人を見る目はどれだけ鈍っていたのか、まるで被害者の様に嘆く始末。でもね、その人たちを選んだのは他ならぬ僕自身なんです。(年中無休の店なので、とにかくシフトを埋めないと回らないと思いとにかく雇いました。)

 この失敗を教訓に。

 だから、次に人を雇う時は、最低賃金でいいからきちんと人柄をみて、後は研修期間を設けて仕事がむいてないと判断したら辞めてもらうことを事前に伝えておいて、お店をオープンする前なら、一日の流れをきっちり組んでおいて、手が空いたら何をするかをきちんと決めて置いて、GWや年末年始に店をやるなら、その時の予定を聞いておいて。あるいは結婚や妊娠の予定も聞いておかないと、これも聞きづらいけどお店にとってはせっかく半年以上かけて仕事を覚えてもらったのに、サっといなくなることもあるので(言わないで突然いなくなる人も何人も見てきました)。

 っていうか、僕の場合は、もし今のお店がつぶれたら、次はもう婚活しないと35歳以降の男性の成婚率は5%以下なので本当にヤバい。そしてパートナーがいるなら一緒にやるか陰で支えてもらってやる。その方が絶対にいいですね。

 パン屋の仕事は本当にやることが多いので、人材次第で売り上げもお店の雰囲気も本当に大きく違ってきます。だから本当にいいスタッフに巡り合えたら、きちんと不満や問題点をくみ取って、お店のために、その人のためになるように、誰もが幸せになるお店になるようにしたいですね。

まとめ:初めは最低賃金で募集して、パン好きな人を集めて、そこからできる人は昇給してお店に滞在してもらうようにする。人材次第で大きくお店は変わるので、自分自身が尊敬できるように努力する。


 最近他人に希望の押し付けばっかりです。
滝にでも打たれて精神を鍛え直したい毎日です。


 それでは、パン助でした。
 
posted by pansuke at 23:19 | Comment(4) | 開業前に必要な知識