2016年11月26日

55歳 パン業界未経験者はパン屋を開業できるのか?その2

 こんにちは、パン助です。

55歳の方は、朝早くに起きて元気よく働いていました。
 僕もなるべく気持ちに答えようと、基礎からキッチリと教えることにしました。

とはいえ、元々は工場で働いていたり、あるいは物産展の接客だったり、旅行会社だったりと、パン業界とは無塩の経歴。一つのことを教えても中々的を得ないというか、ハッキリ言うと要領が悪い!
 そして、そもそも僕は教えるのが苦手。一応順番に何度もやり方をみてもらったり、言葉で説明するのですが、例えばパンの丸めの作業ひとつとっても、やっぱり口で説明するのは難しい。
 
 そういえば僕は初日から食パンの分割した生地を両手を使って2つ同時に丸めていたけど、大抵の人は片手ずつ一つずつやってそれから左手を使う事が多い。アルバイトの子も全員そうだった。両手でやるのを見せても、片手でやろうとする。

 これは考え方の違いだと思った。僕は職人がやってる作業をそのまま真似する方が早いと思ったし、だから同じ様にやれと言われたら同じ様にやるし、やらなければいけないと思った。
また、開業をすると決めた時に最短距離を考えたら、今日は右手、明日は左手みたいな悠長なことは言ってられない。「なぜ人間には2つの手があるか」と聞かれたら「食パンの生地を2つ同時に丸めるためだ!」
と言わんばかりに、とにかく僕はその開業当時は身につけられることを最短で合理的に身に付けようとしていた。

 しかしそれ以外にも理由があった。
失敗を経験上のプラスと受け止めるかマイナスと受け止めるかの考え方の違いである。
 片手でやる人達は、失敗をしないためにまずは普段から使ってる右手で丸めた、と考える。左手でやれば失敗してしまうかもしれない。失敗すれば迷惑をかけてしまうという感情からの行動かもしれない。あるいは失敗すれば怒られるから、右手だけでやったのかもしれない。

僕は両手でやればその方が早いし、そもそもどうせ両手でやるなら最初から両手を使った方がいいと思った。失敗から学べることはたくさんあるし、失敗しても謝ればいいし。でも早く技術を身につけて戦力にならないと。

色んな思いが交錯しながらも、結局教えるということはその人の進む速度に合わせないといけないのか、と思うと、今度はいやそれは教わる方が必死で教える速度に合わせるべきだろう、とやっぱり人に教えるのは難しいな、と思う。

 休みの日、僕は1日かけてその人に食パンを粉の計量から仕込み、分割、成形、焼成まで通してやってもらった。僕の予定では3回、1日に食パンの生地を仕込む計画を立てた。
 最初は計量と仕込みだけと思ったが、パンを知ってもらうためにはやはり一度パンがどうやってできるかを、全体を知ってもらって、それを3回繰り返すことで身に付くと思っていた。
 しかし現実は2回が限界だった。分量の計量と仕込みに約1時間半かかる。それから分割と発酵の時間を加えるとなんだかんだで3時間以上かかり、午前中に一度、昼飯を挟んで午後に一度が限界だった。

全然進まない…
 僕はすごく冷たかったと思う。

向いていないと思った人に、向いていない仕事をさせる行為自体が僕は嫌いで、人に教える事は向いていないと思っている僕が人に教えているという行為に同じ矛盾を孕んでいたので、苛立ちもあったのかもしれない。

でもその人はおおらかで、僕が何を言ってもきちんと覚えようという姿勢があったので、とりあえず半年頑張りましょう!と言って、長い目で頑張ろうと僕も思いました。
(面接の時にとりあえずやる気があるか判断するので、まずは1ヶ月採用、そこから半年、1年と続けてもらうように言ってありました。) 
 

 ブログで1日の流れを書こうとしたのですが、最初って分量計るにしても間違えちゃいけないと思ってすっごい時間かかるんですよね。だから本当に1日かけて材料はかって仕込んで発酵、分割、成形、ホイロに入れてオーブンで焼くを2回繰り返して、あとは休日ですが卸の商品を詰めてもらって終わりました。

 教えるって大変ですよね。



、、、なんでこっちがお金払って教えないといけないんだ!!が本音です(笑)

 それでは、パン助でした。 
posted by pansuke at 03:26 | Comment(2) | 開業前に必要な知識