2015年08月05日

パン屋でなくてもいいです。大事なのはその先です。

 こんにちは、パン助です。

先日、僕が開業前に働いていたドンクで同年齢の方が独立したというので、お店に行ってきました。

 その方は僕よりもパンの経験が3年長いのですが、当時働いていた時もムードメーカーで仕事も誰よりも早く出勤していて、なおかつ手際もよく他の方の仕事をフォローしていて職場をうまく回す人だな、と思っていました。

 当時の僕は開業のため&嫌いな社員がいたのでその社員には絶対に負けたくない、という思いのため仕事最優先で周りの人とのコミュニケーションよりも、とにかくただ早く奇麗になおかつ完璧にという全力最強モードで仕事をしていたのと、仕事が終わったら別のバイトを夜は掛け持ちしていたのでとっとと帰っていました。

 そんな中でも彼はパイルームに来る用事があると僕が好き勝手に流してる音楽に「懐かしー」とかツッコミを入れてはコミュニケーションを取って来るなかなかいいやつでした。

 また、昼休憩がかぶるとたまに話したりしていたのですが、その時に僕は自分は独立することを一応さらっと「独立したいんでー」ぐらいの軽い感じで話すとそいつは「俺にも昔はそういうのあったけどなー」と言っていました。

 その後、彼がドンクで社員となり結婚をしたという事は聞いていたのですが、今度は独立したというので、お店に行って来たのです。(僕は友達ではなくて彼とは仕事仲間ぐらいの関係なのですが、僕が独立して店を出していたのは耳に入っていて何度が僕のお店にも来たようでした。)

 で、その彼のお店を一言で言うと、「すっげぇパンうめぇ」です。

美味しいんです。ドンクぐらいの値段の高さはあるけどそれに見合う様にどのパンも凄いこだわっていて、フランス産のバターのクロワッサンは層が均等で丁寧に折り込みをしてありそれをほおばると丁寧なサクサクのリズムが聞こえて来て、きっとこの先もこのクロワッサンはいつでもこの味とリズムを変わらず奏で、いつでもこのお店に行けばこの味が楽しめるという安心さえ伝わります。それぐらい仕事が丁寧です。

余った生地はクロッカンに使われていて、そのクロッカンも角切りサイズが均等で包丁で丁寧に切った仕事ぶりにとても好感がもてました。

紅茶とりんごのパンは紅茶の香りが袋からだすとふわっと香る適量を何度も調整して作り上げたんだろうなとか、リンゴの量もパンの食感と味を潰さない様にちょうどいい量で、このパンもこの生地も、どれも一つ一つの仕事を基本の1から10までを飛ばさずにこなして来たのがわかるのです。

 まあ、コレド○クでミタコトアルナ、、、というパンもあったけど、それもこれも雑さが微塵も無く、パン職人の主人とパン職人の奥さんという最強コンビが作り上げた素敵なパン屋なのです。


 が、もちろんこんな僕です。他人の店の弱点はすぐに気づきます。
というか、その場で遠慮も無く5年ぐらいぶりなのにずけずけと言ってきましたが(笑)

 
 お店に入って直後、僕は行く事を伝えていないのですがお店に入ってすぐに感じたのは寂しさ。
お店に音楽が流れていないのです。パンの灯りが少し弱いのです。
あえて流していない、パンに集中して欲しい、そんな気もしましたが、買い物はルンルン楽しむもんだと思っている僕にはさりげなく流れるカフェ系の、あるいは美容室系の音楽は必要だと思いました。

 そして店員は奥さんと彼の二人なのですが、やや元気が無い。彼は僕だとなんとなく思ったのかもしれませんがすぐにお店の奥に引っ込んでしまいました。(その後に呼んだ)

おそらく夏の暑さのピーク時に行ったので(一応この時期が売上げが悪いのでわざと暑くてピークを過ぎた昼過ぎを狙ってお店に行った)売上げの悪さにメンタルやられたな、と勝手に察しました。

 これはパン屋の宿命ですが、売上げがいい日もあれば悪い日もある。
パン屋の製造でのみ働いていた人や毎日売り切れのお店で働いていたらわかりませんが、パンは余るのです。
余ったらそれをまた翌日売ってもいいのですが、売らないお店もあるので、極端な温度変化のある日はよくパンが残りそういう日は昼過ぎからずっと客足が途絶えるので余ったパンとその片付けにメンタルをやられてしまうのです。

 僕のお店は余ったパンを他の店に回したり翌日売っているのですが、そうじゃない店の中には本当においしいパンを食べて欲しいから、その日焼いたパンしか売らないという本当にパンを好きだからやっているその思いがあり、その思いと裏腹に現実の厳しさが本当に胸をえぐるのです。暑い日はそれが毎日、なんとなくですが、というか僕の勝手な予想で本当はただ夫婦喧嘩しただけかもしれませんが、とにかく元気が無かったのです。

 パンも売り切れのパンもあったし、僕は一度行っただけなので本当はすごい流行っていたら恥ずかしいのですが、僕はこのお店に楽しい雰囲気が備わればこんなに美味しいパンだから無敵なのに、と思いつつ、というか言いつつその場を後にしました。

 っていうか、なんで自家製酵母使ってて美味しいパンなのに自家製の酵母使ってますが一言も無いんだ!ウチのスタッフにパン配ったんだけどそのパン食べたらこのお店買いに行くっていうぐらいなのに、、、。

 朝3時には起きてカスタードクリームから仕込んでるっていうクリームパンも凄い美味しいのに、そういう手間を主張したコピーが全然ないんです。もったいないって思ったんだけど、もしかしたら、、、。

 もしかしたら全てのパンに手間をかけているので、あんまりそういう感情が無いのでは?と思ってしまいました。要するに僕だったら手間のかかるパンは、こんだけ作るのに苦労したんだよ、朝3時よ?カスタード自家製よ?自家製酵母仕込むのにどんだけ大変かわかんの?あ?とアピールするところを、あのパンもこのパンもじっくり丁寧に作ったんだからどのパンもメインデッシュだからたくさん作れるわけでもないので、来てくれるお客さん、気づいてくれるお客さんが満足してくれればいい、的ななんていうか商売っ気の無さがあるんです。
 親がどの子にも平等に愛情を注ぐのが理想なように、その店のパンはどのパンも愛情(こだわり)が感じられました。だからあの子だけをひいきしないために、主張をしなかったとすると、辻褄があいます。もちろん勝手にいい方に捉えると。



 ん?というか元気が無いのは朝3時起きだからか、あるいは昼が忙しすぎてその後の昼休憩中もあるかもしれませんが、ちょっとやっぱり寂しさが伝わる接客はこのパンのレベルにして非常にもったいないと思いました。
 
 
 僕は今ほとんどパンを作っていないので、パンに関しては言えたものでは無いんです。
同年齢でここまで技術の差があると、パンに関しては本当に僕が努力を重ねないと決して追いつけないぐらいのレベルの違いを感じました。しかも職人夫婦です、僕の商圏に入って来たら噛み付いてやります。

 しかし、やはりそれと現実は別。僕には僕のやり方があり、だからこそ生き残っている現実があるのです。


 ちなみに、久しぶりにあった彼に僕が言われた一言は「若い」でした。
働いていた26の時よりも若く見えたそうです。
 僕もそう思います。働いていたあの頃は独立という野望のため、朝昼晩と働いて運転中に睡眠を取りそうな位休むヒマが無かったので疲れもあったと思います。
 が、今は今で忙しくもやっぱり楽しいんです。

そして、夢がある。

 僕のスタッフで過去に50代の方達が入ってきましたが、本当に夢も無くただ生きてるような人達でした。その方達の老け方は異常な程です。60代でも活き活きしたスタッフがその方達を同年代か年上だと思っていたのを聞いて僕も思わず納得。僕の母も60代ですが最近介護の資格や市の保育のなんかの資格をとったと言ってますが、やはりなんていうか元気の灯が内にあります。介護の資格?もう介護される歳なのに。というと怒りますが笑

 そして、逆にそのパン屋の彼も少し老けて見えたのです。僕はまたも勝手に察しました。

あ、パン屋をやるのがゴールだったのだなと、勝手に。

 きっと彼は今夢を達成しまた家族もあり夢もまたできると思いますが、やっぱりパン屋をゴールにしないでその先も描いて欲しいと思います。

 だから僕は根底に失敗をしてもいいという思いがあるのです。

パン屋で失敗をしてもいい、人生に色々あってもいい、その道中の荒波も楽しんでいればやっぱり活き活きとして来るし、いつまでも若く元気でいられると思います。
 目標をいつまでも持つ事が若さの秘訣ですかね。(何の話だ。)



 高ければ高い壁の方が登ったとき気持いいもんなー。っていいますし。



(、、、壁なんて登ったことないですし、壁なんてそもそも登るもんじゃないですけどね)

 
 

最近ミスチル聞かなくなったなぁ。

それでは、パン助でした。
posted by pansuke at 02:20 | Comment(2) | 開業前に必要な知識