2015年03月05日

パン職人の挫折と絶望の日々

 こんにちは、パン助です。

ただの愚痴です。


最近は、借金の返済に四苦八苦で、お金に細かくなると人間さらに器がさらに小さくなります。
電気代や水道代、ガス代、家賃や駐車場、材料のロスを無くすためにギリギリの発注をしたり、気を遣っていると、一番気になってくるのはやはり人件費。

 そう、人件費。

これがとんでも無いんです。


 もし僕が熟練した職人だったら、大体日商15万円ぐらいなら製造2人で回せます。
しかし、現実は日商5、6万なのにも関わらずパートの製造が2人どころか3人も4人もいても、時間通りに終わらないのが現実です。どうしてでしょうか?本当に不思議なんです。
 
 僕は日々現場で働いているので、他の店舗の現場をちゃんと見て回る事ができません。
また、熟練した職人もいないため、パートでパン業界で1年2年〜10年やってきた人たちに製造を任せています。
 1年も2年もやれば、それなりにパンの成形や焼成などできると思うのですが、現実は全くそんな事はありません。実際は成形に関わっていなかったり、売れないチェーン店のパン屋でずっとのんびりやって来たので、まるで話にならないのです。

 僕は正直パンの製造を軽く見ていました。
というのは、やはり僕も2年に満たない経験で独立したので、それでも十分できると思っていたのです。
 しかし、現実のパートさんのほとんど、いや9.5割以上の人たちがパンを作っているにも関わらず、パンの技術を身につけよう、おいしいパンを作ろうだなんて思っていないのです。

 本人達はおそらく皆自分では「言われた事をきちんとやっている」と思うのです。
しかし、僕はその言われた事の中でその人たちが僕の言った言葉のどの部分を拾っているのか、それはパンを見ればわかりました。

 悲しいかな、指先がどんなに器用だろうと、パンの知識がどんなにあろうと、「おいしいパンを作りたい」という意思がなければパンは絶対においしくできないということが浮き彫りになってきました。

 僕が仮にあんパンを包むのを見せたとして、パートさん達は何をそこから拾うかというと、「あんこの重さ」だけです。僕がもっと生地の表面が張る様に、とか、あんこが中心に来るように手のひらで回しながらとやってみせても、完成品を見ると、あんこの重さしかあっていません。膨らめばあんが透けて見えていたり、乾燥させてはいけないと言ってもいつ見てもラックに生地をむき出しで置いていたり、綿棒で伸ばすのは必要最低限と伝えても、大きく伸ばした方が包みやすいからとダブダブに生地を伸ばして包んだり、八つ橋みたいに透けたパンができて笑ってたり、それらをパン業界に5年10年いた人たちが当たり前の様にやっているのです。

 そして何より恐ろしいのは、そのダメなパンを作るのに、とにかく時間がかかるということ。

いくらどんなに効率良くできる作業の手本を見せても、とにかく無駄に時間がかかる。ということは、ぼくからすればお金がかかるのです。

 僕は根本的に、時給を上げる人の基準があります。
それは、「時間通りにきちんと仕事を終わらせることができる。」これが最低基準です。

 この時間通りにきちんと仕事を終わらせる事ができないから、残業代がかさみ、人件費がものすごい事になってます。きちんとわかってる人の給料をいくらあげても、いつまでもだらだらやってる人よりも給料が少ないのです。

 僕は、ただただ愕然としていました。

僕がアルバイトだった頃、僕の働いていたところは残業代が全部は出ませんでした。残業は○時間まではでるけど、それ以上はやってもでないという決まりでした。

 僕はそれに疑問がありました。それは僕が全力で仕事をやって終わるペースのはずが、上司が定時を過ぎた後に、明日の注文や製造数を増やしたりするので、どうやっても終わらない時もあったからです。

 僕がお店を出したら、従業員の残業代はぜったいきちんと出そう、そう決めていましたし、今もそうやっていました。

 しかし、現実は、給料が少ないからのんびり時間を使って残業をしてお金を稼ごうという、僕が10代のアルバイトの時にやっていたスタイル(笑)を、30、40過ぎた人たちが当たり前のようにやっているのです。

 無意識にやっているようにも見えるのですが、とにかくポイントポイントで無駄に時間をかけるのです。
40品前後の一社の発注に30分もかけてたりすると、ぞっとしてしまいます。
 
 また、そういう人は真面目にきっちり仕事をやっているアピールなのか休憩を取らないのです。
休憩を取らないのでその分を給料にまわして欲しいと要求してきます。僕が4時間で終わる仕事を8時間以上かけて行います。

 辞めたスタッフなのでもういいですが、本当にただただこの人たちは無駄に時間を使うために生きているんじゃないかと思う位に、本当に時間の無駄遣いをみせられ、こういう人たちがいたから、僕のアルバイトの時代にも残業代の制限が課せられたのだとすると、ただただ残念でならないのです。

 とはいえ、仕事が終わらずに帰られるのを僕はものすごく嫌います。

中途半端に帰って「用事があるので後、よろしくお願いします」と言って帰る人がいます。
 みてみると仕事が半分も終わってなかったりして、ただただぞっとします。

そういう人たちには「もし早く帰るなら、あとどんな仕事が残っているか報告してください」というと、すぐに答えられません。「えっと、、、後、成形やって片付けするだけです。」と簡単に言いますが、具体的な事は言いません。
 つまり、自分が残した仕事の数を把握していません。自分のやる仕事の量を把握していないということは、自分の仕事があとどのぐらいで終わるかを考えていないということです。

 つまり、何にも考えていないのと同じです。ただその都度みつけた仕事をなんとなくやっているのです。
 

 僕はこんな汚いパンを作った人たちに、その汚いパンを売って得たお金をその汚いパンを作った人に還元しているのです。お客さんを悲しませて、誰も得しない悪循環、本当にただただ悲しくなりました。
 
 注意したり、何度も丁寧に教えたのですが、ダメです。根本的に違うという事がわかりました。

根本的に職人になれる人となれない人がいるという事がわかりました。
 
 それは料理で言う愛情に近いものかもしれません。

僕はパンは材料と温度をきちんと管理して、丁寧に仕事をすればできるものだと思っていました。
でも違いました。
やっぱり僕はきちんとパン生地を見ていました。
ちゃんとどういうパンがおいしくなるんだって何度も食べました。
ミキサーで回っているパンの表情をいつも観ていました。
何度もさわってどんなパンがどんな風に膨らむのか手のひらで確かめました。
美味しく焼き上がったパンの香りをいつも感じていました。 
お店に並んだ美味しそうなパンをいつも眺めていました。
パンを買いに来るお客さんの気持ちで売り場にいる事を楽しんでいました。
だから、本当にただ自分の気持ちが伝わらないのが残念でなりませんでした。 




 この先、今後も直面するパンの職人のあり方、お店のあり方に迷いが生まれました。
僕が思っている程にパン作りは簡単では無かったのでした。


 僕は今、職人を見つけるには本当に時間がかかるということがわかり、また材料の値上げや消費税の増税などにより、この飲食業界ですら今のままであり続けることの難しさを感じ、「パン屋だけ」で今後も続ける事に不安を感じました。

 
 僕に何ができるのか、これからもっと考えて行動して答えを探さなければならないと思いました。


 長くなりましたが、愚痴を吐き出させてもらいました。

それでは、パン助でした。
posted by pansuke at 01:53 | Comment(17) | 開業前に必要な知識