2014年04月09日

春の新作もいいですけれど

 こんにちは、パン助です。

春と言えば桜のピンク色や、花をイメージしたパンが新商品として加わったりします。

 最近は時間に余裕が出てきたので、お店の商品は僕以外もどんどんアイデアを出してもらったりするのですが、僕が経験上、新作を作ってくださいと言って、ちゃんとわかってる人と、わかっていない人の違いを、今日は見ていきます。

 パン屋のパンには、お店に来るお客さんのために、季節を感じさせる定番商品や、いつも来るお客さんに楽しんでもらうための定期的な新商品、そして節分などの超短期的なイベント系のパンや、クリスマスなどの長期的な販売が見込めるパンなどがありますが、僕は基本的には「売れる」ことを前提に、商品を開発していきます。

 そのため、最初からある程度の漠然とした前提が用意されていて、そこから商品が生まれていきます。

例えば、僕のお店の場合、1主婦や子供連れのお客さんや、2職場のランチで働いている人が買いにきたり、あるいは3近所のお年寄りが来たり、4学生が部活帰りに来る、とある程度ターゲット層が明確だったりします。このターゲット層が大きく分けると4つになり、その他を入れて5つに分けたとします。

 このターゲット層がそのまま人の形になったとします。

何を言っているかわからないかもしれませんが、1主婦や子供連れのお客さんの集合体がそのまま1人の人間になったとします。
同じ様に、他のターゲット層もそれぞれが1.2職場のランチで働いている人達、3近所のお年寄り達、4学生達、.と5その他のサラリーマンやたまたま寄った人、新しく来た人、をその他の5として、5人のお客さんしかあなたのパン屋に来なかったとします。

 それならば、この5人のうち、1〜4番の人が1人でも買う様なパンを作れば、新商品でも売れ残るような事はまず無いのです。


 が、、、、


 単純なターゲット層や、どういうお客さんが食べるのか、が明確でない状態で作ると、単なる創作パンしかできなくなってしまいます。

オリジナリティ溢れるおいしい創作料理は嫌いではありませんが、自己満足のおいしくない創作料理は僕は嫌いです。
 確かに、節分に鬼の色した、赤いパンや青いパン、こういうのは子供が欲しいと言えば売れたりしますが、大抵はそれに見合わない値段がついていたりして、シンプルに自分のパン屋の生地がおいしいから来てくれたりする顧客層には受けません。
 大抵が、見た目やイベントに合わせただけで、おいしさまで追求していないのがほとんどだからです。

 そういうターゲットまでを描ききれていない方達が新商品を考えると、、、

見た瞬間に、この人、わかってないな、とパン屋のアルバイト時代によく思っていたりしました。

 そういう人の第一声は決まっていて「どう?いい感じでしょ?」とか、なんていうか、自己満足オーラが満載です。
売れる具材や感性よりも、「頑張った自分」という間違った想いをパンに乗せているので、そりゃ売れません。
 しまいには「私が作ったんです」と自己アピールをするものの、お客さんの目には止まるものの、売れません。

 「こんなの誰が買うんだよ」と、思わず言ってしまいたくなるパンは、やっぱり、誰が買うのかわからない、それを創作者も考えていないことが非常に多いのです。作った人が自分で買っていたり、同情でスタッフが買っていくこともあるかもしれませんが、、、。

 
 今スタッフに、色々なパンを考えて作ってみてもらっているのですが、同じ様な事があったので書いてみました。

せっかくの自家製のクリームやジャムを、他の商品のクリームと混ぜて、きれいな色とかを見せたりするのはいいのですが、
味見しないんですよね自分で。

 本当に味見しない。なんで?不思議でしょうがないんです。

なんていうか、たくさんの種類は作ってもらえるんですが、それを僕に「どうでしょうか?」って感じで、持ってきたりするんですが、
先に、食べてみた?っていうと、「いえ、まだです。」

 
 パン助「僕は実験動物かっ!!!」


まぁ、パンってたくさん食べると太ったりするし、試作ばっかやってると確かに太るんですが、やっぱり食べなきゃダメでしょ!!



 ちなみに、僕が一番驚いたのは、大手のチェーンの店長さんが、店舗に併設のカフェの新作を考えて持ってきた商品が、、、



 食パンの上にチーズを一枚乗せて焼いた、チーズトーストだった時です。(製造は未経験ですがそれにしても、、、)

某店長「どう?おいしいかな?」とスタッフみんなにチーズトーストを切って配ってました。

スタッフ一同「え、、はい、、、」唖然


 パン助「自宅かっ!」

、、、って思わず突っ込みそうになりましたよ。本当にビックリしました。新商品って、全然「新」でもないし、
食べる前から味想像できるし、そもそも金払って食べたいとも思わない!!!!

 
 というわけで、新商品を開発しなきゃいけない時はまず
「誰に売るのか」
「他の商品とは違う目新しさはあるか」
「材料費と価格はあっているか」
「おいしいか」
「自分が客ならその金額を出してこのパンを買うか」

を気にして、考えてみましょう。

 
 実はわかっていないひとは、何度作っても見当違いの物しか作って来ないので、最初は好きに作らせていたのですが、材料費が無駄で最近は作らなくていいことにしてしまいました。(見当違いを残業代が発生までして作られると辛い)

 逆に、わかっているスタッフは、どんどん試作を採用してしまったため、「なんであのスタッフばっかり採用して」的な目で見られているかもしれませんが、何度も「それは誰が買うの」「売れそう?」「食べた?」と聞いているのに、明確な答えは返って来ないんですよね。

 
 ちなみに、売れる手応えのあるパンは、お店の雰囲気を引き立てるので、すぐにわかると思います。

感性ではなくて言葉で表すと思わず、「これは売れる!」と言ってしまいたくなるぐらいです。

 
 これってシンプルに自分が他のパン屋に行って、お客さんだったとして、パンを見て「これ買いたい!」って思うのと同じなんですよね。おいしそーなパン見るとわくわくするでしょ。それと同じ。


 
 先月は忙しかったので、仕事でお世話になってるダスキンさんに家事代行サービスを頼んで、部屋をきれいにしてもらいました。

めっちゃアットホームな元気なおばちゃ、、、元お姉さま達がきて、僕が「忙しい時は家に帰らないでお店の二階で寝てるんですよー」と言ったら「失恋ショコラティエかっ」って突っ込まれたので、なんだそれは、どんなツッコミだって思ってたら、そんなドラマがあったんですね。

 気付いたら休日にネットで全部見てしまいました。
主人公のショコラティエとなんとなく思考回路が似ていてゾっとしました。顔は全然似てないですけどw

  
 
 春ですねー。パン屋は一足先に暑くなりそうです。


それでは、パン助でした。 
  
  
  
 
posted by pansuke at 23:50 | Comment(6) | 日記