2013年04月12日

自宅をお店に?そんなことできるの??

 こんにちは、パン助です。

今日はまたパン屋の開業前のお話。

 開業したいけどお金が無いというそこのあなた。たぶんそのままずっと夢をみている方が幸せかもしれませんね。
自分の作ったパンを売りたい、少しでいい、ほんのお小遣い程度でいい、、、そんな乙女の様な夢も、パン屋開業後には発酵してホイロオーバーになります。
 
 夢見る夢子さん「お店を借りるなんて大規模すぎるから、まずは、お家をパン屋さんにしましょう!!そうすればお友達にパンを買っていただけるわウフフ・・・」

 保健所「ご家庭の台所は審査に通らないです。無理です(バッサリ)」

 夢子さん「だったら台所を改装して、自宅のとは別にもうひとつ厨房として用意、、、」

 保健所「別にしてもいいですけど、お家で作ってどこで売るんですか?」

 夢子さん「え、その、、、お友達に、、」

 保健所「お友達に売る?そのためにお家を多額の工事費をだして改装してまで売る?」


パン助「ここで夢子さんの問題点をあげましょう。」

まずお友達に売るとか、知り合いに売る、これだけ聞くと、とても和やかなパン教室のような物を開いたり、お菓子を集めてパーティを開いたり、きっと幸せな午後の紅茶のように甘〜い時間を過ごせるでしょう。しかもパンをさりげなく売ったりもできちゃう。お金ももらえて幸せいっぱいですよね。ハイ。別に、知人に売るなら保健所の許可なんていりません。違法だとしても、誰も取り締まりませんってば。でも、本当に友達は買ってくれるかな?

 友達「これあなたが作ったの?これお店にあったら絶対買うよ〜」なんて言われても、社交辞令ですよ??真に受けちゃだめですよ、僕みたいに。


夢子さん「でも、やっぱりきちんと法律に則って、きちんとラベルとか作って売りたい。」


商売とは別の、趣味の延長みたいな感じなんですよねわかります。なんせ僕も同じようなこと考えてましたし、実際にやりました。

 へ?やったのパン助?

パン助「僕にもそんな時期がありました。そうです、僕も営業許可無しに商品を売ろうとしたんです。」


僕の場合はチーズケーキが好きで、お店に売っているチーズケーキよりも自分の作った方が確実においしかったので、それを売ろうとして、近くの農家の野菜とかの直売所に交渉しに言ったんですよ。快く受け入れてくれて、そしてチーズケーキを実際に作ってもっていったところ、、、

 直売所「へ?営業許可持ってないの?」

 パン助「なんですかそれ???」

門前払いでした。
 
 直売所「そんなことも知らないで、、、。無料で試食だけとかならできるけどね。(イヤミ)」

 パン助「別にそれでもいいです(ムキになってる)」

 直売所「で、無料で配って何の意味があるの」

 パン助「別に意味なんて無くたっていいじゃないですか。(むしろもう開き直ってる)」

 でも、本当に意味がないと思ったので、そこの事務の方に配ってさよならしました。



そうなんですよね。よく熱帯魚屋さんとか、ペット屋さんとかお菓子とかケーキとか、好きだから趣味で育てたり、作ったりしていたのを、何かちょっと趣味の延長で商売につなげられるんじゃないかって、そこらへんのお店のより美味しいのができたんだから、きっと売れるって思うんですよね。僕ですら上記のチーズケーキを持って行って、家庭用オーブンで1ホール焼くのに50分、それを仮に8等分して一個300円で売ったとしても、4ホール売る事ができたとしたら、9600円の売上、おお、結構もうかるじゃ〜ん、って思ってました。

 でも実際は、オーブンの回転率からみて、一時間に一個が限界。仮に朝8時から12時まで4ホール焼いて、3200円の材料費。
八等分して1ホールのケーキが2400円で売れる、一日で9600円の売上、材料費差し引いても6400円にしかならない。しかも、売上から直売所に2割のマージン取られるので、7680円から3200円引いて、手元に残ったのは、、、4480円。全部売れたとしてね。電気代やその他の経費もかかるのにね。
 実際はこれ以外にも、パンやケーキが冷めるのを待って、ラベルやフィルムを巻いたり納品したりするのに、一日の作業時間はおおよそ6時間程拘束されると思われます。その労働に対して対価が低すぎるんです。つまり、よっぽど短時間に大量に製造して大量に納品しないと、こういう卸の仕事や委託販売の仕事はメリットが少ないんです。


 さらに、一般的な家庭用のオーブンでは限界があります。
もし万が一でも予約が入ったとしても、大量生産ができないので多くは受けられない。逆に、毎週何回か、ちょこっとだけパンを予約してくるような人に会ってしまえば、今度はその予約のために、ほんのちょっとのパンを作るために2時間3時間かけてしまって、そんな事に時間を振り回されてしまうかもしれない。ましてや自宅では人目につかないし、友達だって義理で買うかもしれないけど、それも調子に乗って値段とかあげられたら、縁だってキレてしまうかもしれませんよね。

 
 あ、そういえば、実際に自宅をカフェに改装してケーキを焼いたりしているお店、ありました。
知り合いが営業で中を見せてもらったんですが、そのお店、子供が3人もいて、製造する部屋は壁には落書き、床にはクレヨンがちらばっていて、その中でケーキを作っているから絶対買わない方がいいよって言ってました。

 しかも立地がものすごい山の中でした。結局家の中だとしっかり製造室と分ける事も難しくて、結果的に不衛生になってしまったりするんでしょうね。


 趣味の延長でパン屋さん、、、それがいつの間にか、マンネリ化した作業に変わってしまえば目が覚める事でしょう。


 というわけで、自宅をお店にするなら、作業室としてきちんと区分けした部屋があり、なおかつシンク、手洗い、換気扇、作業台、冷蔵庫、温度計、床、天井、壁が平面でツルツルしているなど、保健所の審査が通る作りにしないといけません。改装費もおそらく50万以上かかることです。

 商売は甘く無いってことですね。


ちなみに僕のチーズケーキは最高に旨いです。



 それではパン助でした。
posted by pansuke at 23:44 | Comment(5) | 開業前に必要な知識