2013年02月15日

機械の方が楽なのか、それとも

 こんにちは、パン助です。

僕が最初にパン屋で働いたお店には、連続で投入した生地を分割する分割丸め機がありました。
 他にも、1000個以上のパンを作るようにと、包餡機がありました。

1000万円ぐらいするとか言っていました。
 
 ベルトコンベアーが一本あり、そこに投入した生地玉を、ぺったんこにして、そのぺったんこにした生地の真ん中にクリームがチューッと注入され、さらに次の工程で包んでくれる機械でした。 使っていた人達はパン歴が1年前後の方ばかりでした。

その投入する生地玉が発酵してぶくぶくに膨れ上がっていましたが、その方が包みやすいから、とわざとぶくぶくに膨らませていました。

 僕も入ったばかりで、へぇ、そうやって包めればいいのか、機械ってすごいな、と思っていました。


 でも、なんだかそこのパンがおいしく無かったのと、ここで機械に頼ったパンの勉強をしても、個人店で僕はもっと生地に触って技術的な勉強をした方がいいと思って、次のパン屋を見つけると、すぐに転職しました。


 それから独立して、数年、、、そのお店は、僕のお店のウリであるパンと全く同じパンを作ろうとしてきました。

チラシに僕の店のキャッチコピーと同じコピーを使ってきて、僕はカッカッカーと笑っていました。

 そのパクリのパンのデキがあまりにもひどかったのです。

僕は、本物は残る、と知っているので、その偽物が一ヶ月で終わる事も予想ができました。案の定でした。


 パン屋になるなら、生地を触ってください。パンを食べてください。

毎日作ったパン、発酵したパン、発酵する前のパン、こねあがったばかりのパン。

多くの技術者達が、皆味覚がするどいわけではないですが、それでも、生地を触ったり口に入れたり、状態を知る術を模索しています。

 それを機械に頼ったら、そのパンは、機械にあわせたように、機械にひっつかないように、機械にまきこまれないように粉をふったり添加物を入れたりする事でしょう。その過程はパンの味を劣化させる以外に他ありません。

 もし生地を大量に分割するのに、分割丸め機があったらいいなと思っている方、それもアリです。

しかし、生地を分割する技術をその機械に奪われます。

 僕はフランスパンのお店で働いている時に、フランスパンがバゲットモルダーという機械にのまれて出て来るのをみて衝撃でした。そしてその衝撃は複雑な気分でした。だって、そこで働けばバゲットやバタールが上手に成形できるようになると思っていたからです。できたのは、バゲットモルダーの調節だけです。

 しかし、忙しいお店になると、必要かもしれないとも思いました。

機械があれば時間を短縮できる、、、。
  
 しかし、機械が無ければ技術を向上できます。
技術を学ぶという事は、従業員にとってもとても重要なことで、それは教わる意味が生まれます。
しかし、機械操作だけだと、その操作を覚えてしまえばそれまでで、誰でもできるという認識を与えることになります。

 さらに5年10年とやっていても、その機械操作が一人前で、実際の腕の方は半人前では人がついてこないんじゃないかと。


そのためには、自分一人で独学というのは危険です。色んな世界を知る方がいいのです。

 もしかしたら、最終的にパン屋というのは、パンを焼く窯さえあればいいのではないか、生地をこねるのも発酵させるのも手ごねや、冷蔵発酵などでできるのでは無いかと、そうすると最後は焼くだけじゃないか、、、。

 そう思ってもらえれば、パン屋って意外と気軽にできるかもしれません。


 だから、結局は、技術を磨かないと、今はダメでも、5年10年後、パンを知らないままやっていくことになります。

 最近、また、色々な方に教わる機会があったのですが、それを見て思いました。

僕は経営をしたり、買い物や営業やら卸先に届けたりと、色々やっていますが、結局そういう時間でお金を浮かせても、パンを作る時間を奪われているのでは無いかと。

 そういう時間はもちろん大事です。そういう色々な所に回るからこそ、別の視点、商売の考え方が生まれたりするのですが、やはりまたたまには集中してパンの事をしる時間が欲しいな、というサイクルに巻き込まれます。

 結局は初心に、パン生地にたくさん触る事やおいしいパンを食べるってことが大事なんじゃないかって、元の所に戻るんですけどね。


それでは、パン助でした。
posted by pansuke at 23:17 | Comment(0) | 開業前に必要な知識