2012年10月13日

自分の作りたいパンと地域にあったパン

 こんにちは、パン助です。

パン屋をやるのに、周りの意見を参考にして、お客さんの希望にあったパンを作る、そんなお店もいいじゃない。

 そんなことを、今のパン屋を開く前に考えていました。だって、お客さんの要望を叶えたら、それだけお客さんが来てくれる、、、と思ってました。でも、結局それをやっていると、そのお客さんがマーケティング担当でその地域にあったパンを提案してくれるならまだしも、あるいは毎日来てくれて毎日必ず10個はそのパンを買ってくれるならまだしも、、、週に1度しか来ないお客さんだったら、、、。

 実は、こんな事が過去にあったのです。
僕がイオンの中にあるパン屋で働いていたときのことです。
 そこで、チーズの入ったパンを1日2〜3個作っていました。
それは、あまり売れないけど、そのパンがいつも翌日の朝になると必ず一個は売れていたからです。
 僕らが作っている時間には売れたのを見た事がほとんど無いのに、必ず売れているパン。
しかし、一個だけのために作るのもアレなので、いつの間にか作らなくなりました。すると、、、
 イオンの副店長さんがやってきて、言いました。
「最近あのパン売ってないね〜、あのチーズが入ったパン、あれ好きだからいつも買ってたのに、、、」

 なんと、毎日買っていたのは、副店長さんでした。その後そのパンが売られる事はありませんでしたが、こんな事もあるもんです。

 僕の店も最初はそういうので、ここの○○パンがおいしいのよね〜と言って買いに来てくれるお客さんはいたのですが、それでも週に一度来るか来ないかで、買いにこなければ他の人は全く買わないようなパンがいくつもありました。

 そんな要望だけに応えていたら、いつのまにか偏ったパンだけになってしまうでしょう。
結局は、自分が自信をもっておいしいといえるパン作りをするのが、売上アップの早道なんでしょうね。

 でも、それはパンの種類であって、ニーズというのはパンの提供の仕方でも、差別化ができます。

 例えば、パンを対面式で売るお店もあります。しかし、これは善し悪しが分かれます。対面式のケーキみたいにショーケースに入れてパンを売ると、虫がつきにくいですし、子供が勝手に触れない、おっちゃんのくしゃみが直接かかることも無いし、トレーやトングも少なくて済みますし、それによりトレーやトングを拭く手間が省けたり、とメリットがたくさんあります。

 しかし、地域の特性というのがあり、周りがそういう高級感や衛生面を気にする地域もあれば、やれ市場や直売と言って田舎の農家の野菜がたくさん転がっているような街では、目の前にある物をさっと掴めるむき出しのパンの方が、お客さんの購買意欲も湧くというものです。

 さらに、差別化というのは、パンの焼きたてのことです。

僕の地域ではパンの焼きたてを売りにしている所がものすごく少ないのです。それは、学校給食をやっているパン屋だったり、店舗数が多いために大きな工場でまとめてパンを焼いて、インストアベーカリーという形ながらも実は店で焼かずに工場から直接持って来たパンを並べて売る様なパン屋がたくさんあるため、外には焼きたてパン工房とか書いてあるのに、一つも焼きたてが無いのです。
 さらに、イオン系列のスーパーやサービスエリアなどに卸しているパン屋もあり、こちらも大きな工場でパンを焼いて、各スーパーに卸しているため、焼きたてどころか冷まさないとパンはパックできないので、全て時間が経った物しか販売していません。

 そういうパン屋に限って、焼きたてありますか?と聞くと、あちらが焼きたてです、と冷めたパンを作り笑いでオススメしてきますし、店の外ののぼりにも、焼きたてパン、と平気で書いてあります。

 これにより、お客さんは逆にガッカリするのです。

また、個人店で、パンをその店で焼いている所もありますが、僕の地域のパン屋は皆、朝焼いて終わりです。朝焼いて、足りなくなったら昼間に焼く、それでも足りなかったらまた焼く。そういう発想も良いですが、特に焼きたてを売るという路線で行くのであれば、わざと少量焼いて、残りの生地は冷やしておいて、午後にもう一度焼くというスタイルに変えた方が良いです。
 特にカレーパンなどは揚げたて効果が半端無くあり、僕の店でも10個〜20個が一瞬でなくなるときがあります。
それを夕方に出したり、焼き上がり時間を表示する事で、お客さんを呼ぶ効果があります。


 その他にも、お客さんで
「天然酵母を使ったパンは無いの?」
「ハード系置いてないの?」
「国産小麦使ってないの?」
 と
なんで無いの?あり得ない。という顔して買いにくるお客さんはいますが、そういう方は僕はほとんど笑顔でスルーします。
 だって、その人達はパンが好きなんじゃなくて「天然酵母」「ハード系」「国産小麦」あるいは「無添加」などの自己満足ブランドが好きなだけだから。そういう人達に逆に聞いてみてあげてください。じゃあどこの小麦がおいしいですか?どこのお店のハード系がオススメですか?って。皆「え?」って顔して答えられませんでした。(意地悪な奴)
 中には「国産小麦のパン無いの?」って聞かれたので、「ウチはカメリヤの小麦粉使ってます」って答えたら、「カメリヤってどこの国?」って聞かれました。僕が聞きたい。どこの国だそれは。

 まぁ、全ての人がそうじゃないですけど、結局自分の持ち味がパンに自然と出るから、それでいいと思いますよ。


 寒くなってまたパンが売れ出して忙しくなってきました。

 パン屋は朝オーブンつけたら店があったかくなるので、それまでエアコンは節電中です。

それでは、パン助でした。
posted by pansuke at 23:51 | Comment(0) | 開業前に必要な知識